SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

競馬雑学:一杯になるとは?

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日は一杯という二種類の使い方について

以前、逃げ馬の話で

specialweek.hateblo.jp

ここで一杯が出ていますが、今回は一杯に二種類の使い方があることを思い出しました。

レース中の用語として

レース中、「一杯になる」という意味はすなわち「スタミナ切れ」を意味します。「バテた」と同じような意味です。主に逃げ馬に使います。
ただし、逃げ馬でなくても強力な短距離馬が中長距離のレースを使った際、いつもの距離と違うために逃げていないにも関わらず一杯になってしまうこともあります。(パッと見た目にはわかりにくいですけど)

「四コーナーで一杯になった」とか「最後の直線残り100mで一杯になった」とか、最後のもうひと踏ん張りというところでスタミナ切れとなり、惜しくも脚が止まってしまった状態を表現すると「一杯になる」「一杯になった」と表現します。
人間が「もう無理だ」というときに「もういっぱいいっぱい」とかいって無理なことを表現しますが、それと同じように、競走馬がスタミナ切れでもう脚を使い切ってしまった状態を「一杯」と表現するのですね。
一杯になった馬は残念ながらゴールを目前として力を使い果たし、余力がないままに後ろから差し・追い込む他馬に交わされる運命です。

調教の用語として

調教で「一杯」というと「一杯に追う」とかいう使いかたをします。
こっちの一杯はどっちかというと「精一杯」に似た一杯となります。全力を出し切る精一杯を意味する一杯なので、もう無理という意味合いとちょっと違う印象ですね。
とかく強く追い切るために調教に跨ったジョッキーはムチや手綱で馬に合図を送り、全力で馬を走らせることに注力します。
よく競馬新聞の調教欄に「一杯に追う」とか「一杯追」とかシンプルに「一杯」と記載されています。併記されているのは「馬なり」とか「強め」とかです。
一杯に追うことで当然馬には負荷がかかりますので他の「強め」や「馬なり」のような力をセーブした調教より馬は疲れます。
ただ、馬が疲れる度合が大きいのは決して悪いわけでなく、レースが近いのであれば一度どこかで一杯に追う必要はあります。特に休養明けなどは必要です。ただし、決してレースの直前の追い切りで一杯に追っている必要はなく、一週前や二週前に一杯に追っておき、レースの直前の追い切りでは「馬なり」などの軽めの調教で済ませる馬もいます。この辺は馬の個性や厩舎の調教の方針によっても変わってくるので、継続して観察していないと何とも言えないところではあるのですが。しかも最近は放牧先でかなり乗り込んで仕上げてくるケースもあるので、うーん難しい。

間違えそうな各々の意味

レース中の一杯は全力を出し切って燃え尽きた後を意味するのに対して、調教での一杯はこれから全力出す、あるいは全力を出している状態を指している、というのはなかなかに分かりにくく面白いところですね。レースでの一杯がネガティブな意味に対して調教の一杯はどっちかというとポジティブ(一杯に追える=元気・健康・レースへの準備万端)なイメージ、という真逆な点も「一杯」という言葉の面白いところです。