SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

競馬雑学:ウオッカの訃報

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日は歴史的な名馬ウオッカの訃報に触れてイロイロと思い出すことつらつらと。
最近訃報が続きます。競馬ファンにとっては、ちょっと悲しい、ちょっと寂しい、そんな春になっていますね。

桜花賞、二強の競馬は、グランアレグリア圧勝もダノンファンタジーは四着と残念な結果でしたが、ウオッカの桜花賞も二強二頭での決着でしたね。オッズはウオッカ一本被りでしたが。

第74回日本ダービー馬、ウオッカ

父タニノギムレット、母タニノシスター、という「タニノ」の冠名で有名な谷水オーナーの馬。
"ジン"ベースのギムレットの娘がウオッカです。アルコール度数の高い感じが強烈な脚を使う同馬の走りを表していますね。
最初はタニノ軍団だけど冠名がついていないからなぜだろうと思っていたら、期待値があまりに高いから冠名を付けなかったみたいな話をどっかで見た記憶があります。

同期ダイワスカーレットとともにJRAのレースを席巻したイメージの牝馬、どっちも強かったなぁってイメージしかありません。思えばこの二頭から始まったような印象があるのですが、古馬になってから牡馬と牝馬が互角に戦うようになってきたのはこの二頭が先駆けだったように思います。(違うかもしれないけど)
それまでは古馬になった牝馬が牡馬のGIに出走してまともにやり合うってのはどこか一枚足りないようなところがあって、牝馬限定戦ならではの強さってを見せていた牝馬が多かったように思います。
90年代でいえば、牡馬とやり合うヒシアマゾン、牝馬限定戦なら強いのがダンスパートナーやメジロドーベルなんかがそんな感じ。

ウオッカはダイワスカーレットとともに、古馬になってからも牡馬と五分どころか牡馬を圧倒する力を見せつけて勝ち切ってしまうところに競馬ファンが魅了され、歴史に名を残したように思えます。

なんと言ってもウオッカを世代随一に押し上げたのは阪神JF、高級外車をその名に持つ快足馬アストンマーチャンが断然人気を集める中、ウオッカはそれを超える圧倒的な末脚を発揮して2歳世代の牝馬の頂点に立ちます。後に3歳でスプリンターズS制覇するアストンマーチャンを超えるスピードを発揮したウオッカ、こりゃただもんじゃないな、と周りの人は思っていました。(すいません、実は私はそんな名馬に育つとこの時点では思っていなかった…。)

しかし、牝馬による日本ダービー(東京優駿)制覇という歴史的な偉業と達成したウオッカは間違いなく日本の競馬史に残る最強牝馬の一頭であるといえます。
しかし、そんなウオッカ、同期に強力な、こりゃまた歴史的な最強牝馬と言えるライバルが一頭がいました。

生涯のライバル=ダイワスカーレット

同期のダイワスカーレット、ウオッカを語る上で外せないライバルです。
その二頭はチューリップ賞から始まっていました。
チューリップ賞でハナを切って逃げた快足馬ダイワスカーレット、番手に控えたウオッカが上がり三ハロンメンバー中最速の脚で一気に直線で力強く伸びると先頭のダイワスカーレットをクビ差とらえて先頭でゴールイン、三着以下を六馬身ちぎった二頭のマッチレースのような結果に終わりました。

桜花賞、前哨戦の王道チューリップ賞であれだけのパフォーマンスを見せたウオッカが人気を被らないワケがありません。しかしレースは再び単勝1倍台の圧倒的な人気に推されたウオッカは、二番人気アストンマーチャンと人気を競る三番人気ダイワスカーレットを一馬身半とらえきれず、二着に終わりました。
このとき、個人的には、ダイワスカーレットの強さが光ったレースでした。でも馬券はアストンマーチャンで勝負していたのでカタマチボタンの複勝だけささやかに的中したことを喜んでおり、本筋の勝負とは全く関係ない次元で楽しんでいました。

その後、秋華賞勝利、エリザベス女王杯勝利、有馬記念はマツリダゴッホの二着と連勝街道を驀進していくダイワスカーレットに対して、ウオッカは秋華賞クビ差で三着、エリザベス女王杯は取り消し、ジャパンカップ出走も四着、そこで走りすぎた反動か有馬記念は11着と、すっかり同期のダイワスカーレットと違って(最強牝馬的な雰囲気とは)なんかちょっと違う感を醸し出していました。
しかし翌年の天皇賞秋、春に安田記念を勝利して古馬GI馬として堂々出走した天皇賞秋ではそのダイワスカーレットを力でねじ伏せて見事に勝利、長くリベンジを果たせなかったウオッカは天皇賞秋で最終的にダイワスカーレットにリベンジを果たし、ワンツーフィニッシュで二頭の最後の対戦となりました。

ダイワスカーレットはこの年の有馬記念を歴史的な勝利で引退の花道を飾りましたが、ウオッカはその翌年も現役として輝き続けていました。

個人的にはウオッカよりダイワスカーレット派でしたけど、ウオッカの存在感はやはり格別でしたね。

海外で結果が出ないものの…

海外に挑戦し芳しくなかったものの、国内復帰戦となったヴィクトリアマイルは道中で中団よりやや前を追走したウオッカが直線に向くと早め先頭に立つと、ウオッカ一頭だけが伸びる独走態勢、二着に七馬身差を付けての圧勝、続く安田記念も前年のJCで先着を許したディープスカイ相手に快勝しています。
秋にはジャパンカップ制覇で最強牝馬の称号を手にしたウオッカ。
引退レースは海外(結果は着外)でしたが、国内のGIに出れば勝ち負けという圧倒的な実力で時代を築いた名馬でした。

そして、血統が必ずしも当時主流といはいえない血統、父タニノギムレットはブライアンズタイム(結局ヘイルトゥーリーズン系統でSSと同系統だけど)ですし、母父はルションです。ルション産駒ってマイネルブリッジしか知らないです。

突然彗星のように現れた阪神JFでの圧倒的な走り、クラシック桜花賞で惜敗があったものの、歴史に名を残す牝馬による日本ダービー制覇、古馬になってからもその圧倒的な力でGIを勝ちまくった実力と成長力、成績だけ見るとダイワスカーレットのほうが生涯連対を外さなかった分成績がよく見えるものの、出走回数が少ないダイワスカーレットに対して、2歳から5歳までトップホースとして時代を牽引し、(一戦だけとはいえ)6歳まで現役で走り続けたその実力は、唯一無二の存在として、日本の競馬史に輝いています。

お酒のウオッカのような強烈な存在感を刻み込んだ名馬。

もう産駒が見れないと思うと寂しさがあります。