ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日はよく聞くけどなんとなく分らない硬い馬場、について。
いまいち分からない硬い馬場
とりあえず字面どおり「地面が硬くなってる」ってことですね。土は乾くと硬くなり、雨が降るとぬかるんで柔らかくなる、こういった変化のほかに「そもそもその土地の土壌が硬い」という土地由来の硬さという面もあります。
芝が違う
要するに使われている芝の品種が違うんですね。
昔の競馬場の芝コースは「野芝」という品種の芝が使われていました。なので冬場には芝コースの地面は茶色掛かった黄土色くらいの土の色でレースをしています。よく過去の映像で昔の有馬記念の映像を見ると地面は黄土色というか土の色ですよね。あれは芝が枯れたのと乾燥した土が見えるので、地面があのような色になっているわけです。
しかし近年は緑が絶えません。年中緑の鮮やかな芝の上で春夏秋冬のレースが開催されています。これは「オーバーシード」という手法によって実現されています。
基本は野芝が使われているのですが、野芝が枯れる冬の季節は洋芝の種を蒔いておき、野芝の代わりに寒い季節に強い洋芝でカバーするという手法です。両方の芝が使われることで一年中緑色の芝が生い茂った状態で競馬をすることができるようになりました。
よくオグリキャップ時代の有馬記念の映像なんかは、「冬枯れの芝」と言われるように黄色いターフが広がっていますが、現代競馬において冬枯れの芝を見ることはまずありません。オーバーシードのおかげで一年中青々と茂った緑の芝でレースを観戦できています。
しかし影響があった
一年中芝が生い茂る地盤はガッチリと硬くなってしまいました。まさか掘り返す(耕す)わけにもいきませんからね。
脚元への負担は多少なりとも掛かるわけです。現在はいろいろな技術が駆使されて昔ほどではなくなっているらしいですが。
毎年のように外国からの遠征馬のコメントで「硬い馬場への対応云々」というコメントがでるのはそういうことだと思います。
このあたりは肯定派と否定派で様々な議論があるところです。
硬ければ好タイム
一概に言えないのですが、硬い馬場で好タイムが出る、というのはこれまでの傾向から言って成立する公式となっています。
よく関係者のコメントやインタビューで
「馬場が硬いですね、なので時計が出ます。」
という具合によく表現されます。競馬では硬い馬場はイコール時計がでる=つまり好タイムのレースが多くなる、と言われます。
つまり、硬い馬場であれば持ち時計がある馬が必然的に台頭してくる可能性も上がることになります。逆に持ち時計がない馬にとっては硬い馬場というのは未知数なところが多いということもいえますね。