ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は2020年2回福島開幕週の開催をサンプルに、福島と開幕週の馬場を考えてみようと思います。
最初に結論を言ってしまうと…
結論から言えば、逃げ馬は残る、けど、中団に控えた馬も来ないわけではない。
しかし、道中中団に控えても、三コーナーから四コーナーに掛けて三番手から四番手くらいの先頭をとらえきる位置にいないと届かない、という福島コースの特徴が色濃く出ています。
三コーナーくらいからの捲りってのは福島で勝ち切るには必要な戦術で、向正面で控えていたとしても早目に仕掛けないと届かないんですよね。外差しが届くくらいになるともう福島開催は終わってしまうという。
あとは1枠の逃げ馬or1枠だからこそ積極的に前に出た馬、二桁人気でも来ています。
アタマ一つ抜けたような実力馬でも外差しの時点で逃げ馬には届かず入着が精一杯というレースが目立ちました。後ろから行っては届かない。
ちなみにこの記事、ちとタイムリーさを欠いた内容になっております。
七夕賞が開催された2回福島4日目(日曜日)、ようやく差しが決まるようになってきました。土曜日のメインレースでは12番人気の大穴が単騎逃げで勝ち切るように、ハナを切って逃げれば前が止まらない、と言う馬場だったのですが、内が荒れてきており、ようやく外差しが決まるような馬場になってきたようです。
2回福島1日目=7月4日の天候と馬場状態
1Rや2Rではまだ雨が降っていた福島競馬場は当然芝コースは重馬場、ダートコースは不良馬場、という馬場状態。
開幕週でパンパンの良馬場、というほうが分りやすいけど、福島の馬場と勝ち負けできる展開を探るには開幕週のレースを観た方がいいということで。
最初は土曜日と日曜日の二日間を考えていましたが、力尽きたから土曜日だけにしました。
5R新馬戦:芝1200m
芝のレースは5R新馬戦(芝1200m)からでした。重馬場の発表。
ハナを切って逃げたバイシクルキックが逃げ切って勝利。鞍上は減量騎手の菅原JK、スタートから先手を奪うとそのままハナへ、二着に三馬身差を付けての勝利。
二番手三番手に付けていた先行勢のビーマイベイビーやテセウスあたりは掲示板を外しており、四コーナーで進出してきて三着のギョベクリテペや、さらにギョベクリテペより溜めて四コーナーから進出してきたセイウンダイモスが二着だったことを考えると、前残り云々よりも減量騎手の起用で逃げたバイシクルキックだけが斤量52キロで出走していた点が効いたような感じもしますが、逃げ馬が勝利でやはり開幕週は逃げ・先行、かつ福島の短い直線が効いたようにも見えた一戦でした。
7R未勝利戦:芝2000m
次の芝のレースは7R未勝利戦、馬場はまだ回復せず重馬場の中2000mの中距離戦でスピードだけで押し切るには難しいレース。
スタートこそ五分で逃げたソルメンシスはコーナーに入るまではキミノミラクルやソードラインと並ぶくらいでしたがコーナーワークを利してソルメンシスは単騎逃げに持ち込みました。直後にはキタノポケットもいて内枠の逃げ馬という開幕週なら思わずおさえたくなりそうなキーワードがよぎります。
結局四コーナー付近で仕掛けてきたソードラインと併走するような格好で直線に入ったソルメンシス、ソードラインが先頭に変わるかと思ったところを上手く二頭を捌いてステラドーロが抜け出し先頭、経済コースをスローで走り切ったソルメンシスが粘るかと思ったところで人気薄の同じ1枠キタノポケットが差し切って二着でゴールイン。逃げたソルメンシスは三着に終わりました。
ステラドーロは戸崎JKの乗り方も良かったし、力があったのでしょうがないにしても、逃げたソルメンシスの直後で終始ラチ沿いを走って最後に二着確保の13番人気キタノポケットは1枠2番、内枠の先行馬ですね。こういう穴馬を狙い撃ちしたい。
9R開成山特別:芝2600m
次の芝のレースは9R開成山特別、1勝クラスで芝2600mの長距離戦。
このレースは逃げたカンバラとファンタスティックを含めた三頭が最後に激戦となったレースでした。
スタート直後にはファンタスティックがロケットスタートから一気に後続を突き放して先頭に立ち一周目のスタンド前までレースを引っ張っていたのですが、スタンド前くらいでカンバラが徐々に進出、二周目の一コーナーや二コーナーに差し掛かる位ではカンバラがハナを切ってレースのペースを握る展開になります。
続くのはロビンズソング、ファンタスティックは三番手に交代してしまいました。
二周目の三コーナー付近で徐々にペースが上がって行きます。カンバラがレースを引っ張りますがナムアミダブツが果敢に仕掛けて行きます。三コーナー手前からロングスパートのように大外から一番人気リスペクトが前をかわして追い上げて行きます。
直線に入ってカンバラが逃げ切り体勢も、一息入れて追い上げ体勢を整えたファンタスティックが迫ります。
さらに大外から一気に伸びてきたリスペクトがカンバラとファンタスティックの競り合いに加わって三頭が横一線でゴールイン。
2.0倍と人気が集まった一番人気リスペクトの力が抜けていたとはいえ、展開と馬場を味方に付けて逃げたファンタスティックとカンバラが互角に戦ったレースでした。
10R松島特別:芝1800m
その次の10Rも芝のレース。2勝クラスの松島特別、芝1800m戦です。
ハナを切って逃げたグレイテストが二着に粘り込み、後ろから上がり最速で飛んで来たリトミカメンテの追撃をハナ差振り切ってゴールしました。
好スタートからラチ沿いを進んで先手を奪ったグレイテスト。ただ、勝ったのは番手でレースを進めたミスニューヨーク、道中は五番手くらいを追走しており、三コーナー付近から徐々に進出、三番手が三頭並ぶ中で先頭のグレイテストをとらえきれるポジションまで位置を上げて行きます。四コーナーでは先頭のグレイテストをとらえにいく二番手ウルクラフトに半馬身くらいの位置にミスニューヨークは並んでいきます。
グレイテストは1枠1番内枠の逃げ馬ということでスタートも良くペースを握ることが出来ました。三浦JKも上手く乗ったんじゃないかと。
ミスニューヨークは早目仕掛けて四コーナーでは先頭のグレイテストをとらえきれる位置まで押し上げたのが勝ちに繋がったように思えました。
一方のレーンJK騎乗の一番人気リトミカメンテは逆にスパートを仕掛けるタイミングが一瞬遅れたかもと思える惜敗。直線の脚は一番良かったように思えますので、やはり開幕週の馬場は外差しには不利に映りました。
12R 1勝クラス:芝1200m
最終レースはスプリント戦、ここでも減量騎手の菅原JKがアタマ差の接戦をモノにして勝利。
勝ったリッチクレマチスが好スタートから一瞬先頭を走りますが、内からボンジョルノが出てきてハナを譲ります。しかしその後シネマトグラフがハナを主張し、先頭に立ったのはシネマトグラフ、ボンジョルノはちょっと後退してしまい、四コーナーに差し掛かる頃にはシネマトグラフの外から続いてきたリッチクレマチスとグッドマックスよりも下がってしまいました。
逃げた戸崎JKのシネマトグラフが直線で粘りますが、直後からピッタリくっついてリッチクレマチスが馬体を併せて競り合いに持ち込んでいます。
レーンJK騎乗のフジノタカネは10Rの松島特別リトミカメンテと同じような乗り方で外から一気に前に迫るものの、先頭争いをする二頭には及ばず三着。
結局最後は2キロ差ある斤量差がものを言ったのかと思えるリッチクレマチスのアタマ差勝利、しかしクビの上げ下げでのゴールで、逃げたシネマトグラフも十分勝てそうな内容に見えました。