ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は馬場に絡んで外差しについて。
外差しって?
なんとなく文字面からニュアンスは伝わってきそうな感じですが、簡単に言えば、
四コーナーで外(特に大外)に回して、直線は前に馬がいない状況で一気に大外から差し切ってしまう、
そんな直線勝負を「外差し」と言います。
馬場の外を回して、差しの決め手で勝ち切るレース運びを外差しと表現します。
しかし、この「外差し」、言葉としては馬場を説明する言葉として主に使われます。
外差し馬場
「外差し」はレースの決め手勝負の様子を表現する言葉なのですが、主に馬場を表現する言葉として使われるのが面白いところです。
主に「外差し馬場」とか「外差しの馬場」なんて使い方をします。
その実態は、開催が進んで内の馬場が荒れてきたなぁ…という状態の馬場では、ラチ沿いを通ってゴールに雪崩れ込む逃げ・先行馬よりも、四コーナーで大外にぶん回して外の荒れてない馬場を通って一気に飛んでくるような差し・追い込み馬に利する馬場になっている、という馬場状態を示しています。
つまり、内が荒れてきたなぁ=外差しの馬場だなぁ、という使い方をすることが多いです。
開催が進むと「そろそろ外差しが決まる馬場になってきたね。」とか、逃げ・先行タイプの人気馬を消すときに「外差しの馬場では粘り込めないだろう。」とか、そういう使い方をします。
レースでは前に付けられない追い込み馬のチャンス到来、そんな馬場が「外差し馬場」です。
逆の言葉は「前残り馬場」
これとは逆に、開幕週や開催直後で内が荒れていないために、逃げ・先行馬が想定以上に残る展開が連続する馬場を「前残り馬場」と言います。
つまり、外差し馬場の逆は「前残り馬場」といえます。
内を通ればカーブでの距離損がないため、通常芝の状態が内外で同じならば最終コーナーで内を通って直線に向かっていく逃げ・先行馬が有利=前残り馬場、なのですが、開催が進んで内の馬場が荒れてくると、必ずしもラチ沿いをはじめとした内寄りの馬場が良いとはいえない状態に変化してきます。
このタイミングくらいから、「徐々に外差し馬場に変わってきたな。」と潮目が変わるタイミングがやってきます。
仮柵に注意
一般的に、開催が進めば進むほど内側の馬場は悪化し、外側の馬場との善し悪しに差が大きく生まれてしまうため、開催最終週には外差し馬場になっているケースが多くあります。
しかし、単純に開催が進めば外差しになるか、といえば、話はそう単純なことでもなく、内側に仮柵を設けて「良好な内側の馬場を温存する」という場合もあります。
この場合、「そろそろ外差し馬場になってきたな」と思った矢先に、仮柵移動によって、馬一頭分くらいの良好な馬場(コレをグリーンベルトと呼びます。)がラチ沿いにフッと現れることになり、仮柵移動によってまた前残り馬場と言えそうなレース結果に戻ってしまう…、ということになります。
長い開催に備えて内側の馬場が温存されているケースもあり、仮柵移動の情報を含めて、馬場状態は確認しておきたいものです。