SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

思い出の馬:サートゥルナーリアが引退…。

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去年のPOGを助けてくれた存在、サートゥルナーリアが1月引退しました。
寂しい反面、無事に種牡馬となれたことがちょっと嬉しい、そんな矛盾した心境を抱えて見守る一ファン。思い出を振り返ります。

サートゥルナーリアを知ったきっかけ

POGで指名する馬は毎年デビューはするものの未勝利や1勝クラスを勝ち上がれずに惨憺たる成績に終わっていました。

2018年~2019年のPOG世代では毎年指名しているブエナビスタの産駒がデビュー出来ないことが事前に報じられており、代わってスペシャルウィークのゆかりのあるシーザリオの産駒を指名したことがきっかけでした。
加えて、その筋では有名な「シーザリオ産駒は三年おきに大物を輩出」という点にも惹かれたからです。初仔から三頭目のエピファネイア、間二頭置いてリオンディーズが輩出され、その後三頭目にロードカナロアが初めて種付けされて生まれたのがサートゥルナーリアでした。
ロードカナロアは既に前の世代でアーモンドアイやステルヴィオなどの走る産駒(その中には迷って指名を止めたアンヴァルなどもいます。)を輩出しており、ロードカナロア自身の種牡馬としての期待もかなり高かったという面もあります。

馬名の由来は古代ローマのお祭りの名前、「サートゥルナーリア祭り」から。サートゥルヌス神を祀る農神祭。
走るたびに祭りのような勝ちっぷりに名は体を表すとはよく言ったものだと思いました。
半兄のエピファネイアも母シーザリオから連想された公現祭のギリシャ語ということも命名の由来としてありそうです。

デビューから

近年の新馬戦は6月デビューで勝利し、そこから休養して余裕を持ったローテで年末からクラシックを目指す馬が多い、ということもあり、2018年6月の阪神でデビューが決まったとき「これはかなり期待できそうだな。」と思っていました。
しかし、そうは言ってもそこで惜敗などしてしまい目論見が崩れてしまう馬も多数います。実際POGで指名した馬でもそういう馬は多いのですが、サートゥルナーリアはデビュー戦をアッサリ勝利して着差以上に圧勝といえそうな勝ち方を見せます。
新馬戦の二着と三着の馬が次の未勝利戦でワンツーフィニッシュを決めています。そのことからもサートゥルナーリアの新馬戦というのはレベルは高かったんだなぁと思っていました。

次走は重賞を使わず京都1800mの萩Sとなったサートゥルナーリア、ここでも好位で前をうかがって直線に入ってから内を突くと持ったままで大楽勝。
うーん、なんか破格の強さじゃあ?とレース後に思った感想。鞍上のデムーロJKのコメントでも、直線は追っておらず持ったまま、と言うコメントもあったし、ムチも入れずに馬なりで他馬を置き去りにし、まだ余裕がある走りで後続を一馬身以上置き去りにしてしまったのは着差以上の大物感を感じさせるものでした。

アッサリ初GI制覇

ホープフルSの予想中には正直半信半疑なところもありました。
昔デビューから追い掛けたローゼンクロイツが関東に遠征してからっきしダメだったこともあるし、わざわざ王道の東スポ杯2歳Sといった重賞を使わずに萩Sをステップにしたのも輸送に課題があったからじゃないかとやや邪推していましたが、やっぱり本命にせずにGI勝利なんてしちゃったら悔やんでも悔やみきれないと信じることにしたものです。相手関係は萩Sからかなりメンバー強化となりましたが、終わってみればホープフルS圧勝で有馬記念後のGIをPOG馬のGI制覇でこの年を締めくくることが出来ました。
思えば、このときのメンバー、二着アドマイヤジャスタ、三着ニシノデイジー、五着ブレイキングドーン、六着ヴァンドギャルドはいずれもこの後(ニシノデイジーはこの前でしたが)に重賞を勝利する骨のあるメンバー、四着馬コスモカレンドゥラは重賞こそ勝利していませんが現在もオープンクラスで現役を続けています。あらためてホープフルSの価値を感じさせるレースでした。

クラシック制覇、からの…

翌年明け三歳で皐月賞ぶっつけ本番が予告されたサートゥルナーリアのローテーション。
個人的には前哨戦を使わない馬は評価を下げるのですが、近年は前哨戦を使わずに本番直行が流行。前年の牝馬三冠アーモンドアイは桜花賞勝利以降はGIしかレースを使わなかったり、グランアレグリアがぶっつけ本番でGIを勝ちまくっていたり、クロノジェネシスも基本的には前哨戦を使わずにGIを勝利していたりと、本当の有力馬は本番に直行するという傾向が見て取れます。
おっと、牝馬だけでなく牡馬でも去年はサリオスとコントレイルの有力二頭は皐月賞ぶっつけ本番でしたし、フィエールマンは夏のラジオNIKKEI賞を二着惜敗からぶっつけ菊花賞を勝利しています。やはり流行。

しかし、このときは、年明け一戦もしない馬が皐月賞を勝利した例がなく、最も間隔が開いたとしても、2月の共同通信杯から直行するパターンでの皐月賞勝利が最長の記録でした。ゴールドシップとかドゥラメンテとかディーマジェスティとか。
そんな皐月賞は多少不安も抱えながら、それでも予想では本命とし、皐月賞を振り返って見ればヴェロックスとの叩き合いを制しての勝利、ただまだ底は見せてないように思えた勝利にはダービー制覇で二冠の期待を持たせるものでした。

ただ、半兄リオンディーズの例もあるし、父ロードカナロアだし、という不安もあったものの、いや半兄エピファネイアは長距離の適性があったし2400mは走れる、と判断しやはり予想では本命に。思い入れがなければダノンキングリーあたりを本命にしたようなレースでしたが、ダービーの結果はサートゥルナーリアはレース前のイレ込みが祟っての四着、ゲートの出も悪くスタートで後手を踏んだ上に直線ではいつもの伸びが見られませんでした。サートゥルナーリアをマークしていたとしか思えない乗り方だったヴェロックスまで巻き込んだような格好での敗退は、距離というより「気性面」の課題が浮き彫りとなったように見えました。

その後、この日本ダービーを制覇したロジャーバローズが引退してしまったり、皐月賞勝利のレースパネルが当選したりと思い出が多い春競馬となった年でした。

秋から厳しい時期に

秋初戦は神戸新聞杯から始動。もちろん予想は本命に、振り返って見れば皐月賞のワンツーフィニッシュ再び。しかしその着差は皐月賞と違って三馬身差、勝負付けが済んだようなレースでした。
このあと、神戸新聞杯三着馬ワールドプレミアが菊花賞で二着サトノルークスにクビ差の勝利、三着ヴェロックスと一馬身差となったことを考えると、この神戸新聞杯のトップ3がそのまま世代のトップ3なのかなぁと思わせるレースでした。

しかし、次の目標にした天皇賞(秋)、超が付く豪華メンバーとなり近年ではちょっと考えられないようなハイレベルの一戦。そして日本競馬を代表する存在であるアーモンドアイとの対決、予想は本命にしたものの、どの馬にもチャンスがありそうなハイレベルな大混戦という難しいレース、しかし振り返って見ればアーモンドアイの圧勝、二着以下はクビ差で四頭が並ぶ混戦で、その後ろで一馬身半差離された六着に終わってしまったサートゥルナーリア。左回りのGIではかなりの実力者スワーヴリチャード(七着)相手にハナ差先着をしているものの、なんだかトップとの壁を感じたようなレースになりました。

有馬記念

アーモンドアイに降参ムードだった有馬記念の予想、でもサートゥルナーリアを信じて本命にしていました。
「ダービーと有馬記念はお祭りだから好きな馬から狙わないと後悔するよ」
なんて競馬を始めた頃に先輩から教えてもらったのをいまも忠実に守っている自分がいます。

しかし心では"アーモンドアイが勝っちゃうんでしょう?"と思っていました。

けど、アーモンドアイが直線に入るか入らないかというあたりから手応えが怪しくなって失速、波乱を感じさせた直線でサートゥルナーリアが一旦先頭に立つ。おおおぉ、と思った瞬間に大外からリスグラシュー、結局牝馬なのね…、という。サートゥルナーリア二着で有馬記念は幕を閉じました。

しかし、天皇賞(秋)に続くオールスター戦と呼べそうな超が付く豪華メンバーの一戦を堂々の二着、いままで応援してくれたファンに向けてサートゥルナーリアが応えてくれたのかな、と思える力走に思えました。

翌年、そして引退

翌年は順当に金鯱賞を勝利したものの、宝塚記念では馬場の影響か四着に敗退、秋には思ったレースに使うことが出来ずそのまま引退となってしまいました。

脚元に不安を抱えるサートゥルナーリアは元々間隔を詰めて使うことができないという縛りがありました。
脚元の状態が悪く、ジャパンカップを復帰戦と目標にしていましたが、腫れが引かず回避、有馬記念で状態が戻るかと期待されましたがそれも見送らざるを得ない状況となって、脚元の状態が回復しているものの背中の状態が改善しない、という理由から状態が戻ったとしても元のように走れないかもしれないという懸念もあり、種牡馬として次の仕事に就くことが決定された、と報じられていました。

エピファネイアもリオンディーズも、その他の大成できなかった初仔トゥエルフスナイト(実はトゥエルフスナイトは仲間内のPOGで別のプレイヤーに取られていた馬でした)や二番仔ヴァイオラも脚部不安で引退を余儀なくされています。
同期ロジャーバローズがダービー後に一戦もせず引退してしまいましたが、サートゥルナーリアも実は同じようにダービー後に引退ということもあったのかもしれません。(元々脚元に不安はあったからこそのローテだったんだろうと推測)

そう考えると、古馬まで無事大きなレース中の事故もなく、走り切って競馬を楽しませてくれたことに感謝の気持ちが湧いてきました。

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ありがとう、サートゥルナーリア。

種牡馬で期待

脚元の不安によって余力残しのレース振りから、かなりの大物と思っていましたが、逆に脚元に不安があるからこその余裕のあるレース振りしか出来なかった=本気出せなかった、と考えると、

「脚元に不安のないサートゥルナーリアの仔が全力で走りきる姿」

を見ることができるかもしれない、という点で今からワクワクしてきます。

幸い、馬産地でもサートゥルナーリアの人気は上々のようですし、現在主流となっている種牡馬ロードカナロアの仔ということもあり、期待が高まっているようです。
思えば、最近ビッグレースで牝馬が勝利することが多く、これだけの血統背景を擁してあれだけの走りを見せた種牡馬は結構希少なのかも、と前向きに思えてきました。

二年後、サートゥルナーリアの仔でPOGの指名を悩みたいと思います。