ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は、サートゥルナーリアの母、シーザリオの訃報に触れて、です。
シーザリオの突然の訃報
28日に午後、突然の訃報。<競馬ニュース | 最新情報をリアルタイムでお届け! - netkeiba.com>で「日米オークス馬シーザリオ死亡」に驚きました。
■日米オークス馬シーザリオ死亡 産駒にエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリア
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=184373
まだまだ一流の産駒を輩出してくれそうだったシーザリオの訃報。でも19歳と高齢だったこともあり、こういうこともある年齢になったんだなぁ、と改めて実感。
スペシャルウィーク産駒、最初の大物
思えばスペシャルウィークに産駒GI初制覇を届けたのはシーザリオのオークス。その後ブエナビスタが輩出され久々の産駒がGI勝ちを成すのですが、スペシャルウィーク産駒といえばそれまではシーザリオでした。(重賞でかなり強さを見せたインティライミも有名でしたが)
しかしシーザリオはその後、アメリカンオークスに挑戦、見事に勝利し、スペシャルウィーク産駒というだけでなく、日本の競馬でも珍しい「海外GI制覇」という看板をもたらしました。
シーザリオって、名前が格好良いですよね。そういうのも大事。
現役は短く、圧倒的な六戦五勝
個人的なクラシックの定説を覆した一頭としても印象深い馬でした。桜花賞人気馬の定説としていた「フラワーCからの桜花賞出走馬は桜花賞では馬券にならない」と考えており、デビューから三連勝でフラワーCを圧勝したシーザリオも目標は桜花賞後のオークスだと考えていました。
桜花賞で一番人気に推されたものの、この桜花賞だけは主戦の福永JKではなくテン乗り吉田(稔)JKでした。(個人的にはライラプスが一推しだったので、人気馬は全く狙いに入っていませんでしたが。)
そして福永JKはこのレースではラインクラフトを選択しています。ただ、どっちが強いという選択ではなく、ラインクラフトが先約だった、という理由のようですが。
シーザリオはラインクラフトにアタマ差及ばずに二着に敗退します。しかし、その走りはオークスならと思わせるモノがありました。
次走のオークスは主戦の福永JKを背にライバルのエアメサイアやディアデラノビアの二頭とクビ差の激戦を制し勝利、単勝1.5倍の圧倒的な一番人気に応える勝利でした。二番人気エアメサイアや三番人気のディアデラノビアがそれぞれ8.6倍、9.0倍だったことからも抜けたシーザリオの人気がうかがい知れます。
その後、果敢に渡米しアメリカンオークスに挑戦、四馬身差でこれを勝利すると凱旋帰国、しかしその後ケガにより長期休養となりそのまま引退、アメリカンオークスが現役最後のレースとなってしまいました。
そして繁殖は長く、大物を続々輩出
産駒も最初の方こそ体質の弱さがあったものの、三番目の仔エピファネイアが大活躍、次の全妹ロザリンドは未勝利のまま引退しましたが繁殖に上がりオーソリティを輩出しています。
そしてリオンディーズは朝日杯を圧勝し、サートゥルナーリアはホープフルSと皐月賞を勝利してGI二勝馬としていずれも種牡馬になりました。
スペシャルウィークの後継種牡馬はトーホウジャッカル(が細々と種牡馬生活を営む)一頭のみという状況、個人的にはゴルトブリッツが夭折したのが惜しまれます。
そんな状況ですが、シーザリオが残した三頭の種牡馬によって、スペシャルウィークの血統は受継がれていきます。
続くシーザリオ産駒
モーリス産駒のルペルカーリアも期待されていますが、その下にはデビュー前のロードカナロアの牝馬がラストクロップ、POGでも人気しそうです。
キングカメハメハでリオンディーズを輩出し、ロードカナロアでサートゥルナーリアを輩出しているシーザリオなので、ラストクロップとなるロードカナロア産駒も周囲からかなり期待されそうです。
そして、エピファネイアの全妹ロザリンドがオーソリティを輩出していますが、リオンディーズの全妹も二頭いて(一頭は現役準オープンクラスですが)繁殖としても期待されそうです。
シーザリオ産駒って割と規則性がある特徴があるので、この規則性から考えると、サートゥルナーリアの全妹となりロードカナロア産駒の牝馬も(現役時代はどうなるかさておき)繁殖としてはかなり期待を集めそうな気がします。
もっと活躍する産駒を見たかった、と思う気持ちはありますが、それでもシーザリオが駆け抜けた現役六戦、そして三頭の種牡馬の母となった繁殖生活を含め、スペシャルウィークの名前を後世に残してくれた偉大な一頭として、忘れられない一頭となりました。