SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

競馬雑学:キングストンボーイのダービー回避に思ったこと

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日は来年引退を迎え最後のダービーを迎える藤沢(和)厩舎について。

キングストンボーイがダービー回避

青葉賞二着で本番のダービー切符を手にしたキングストンボーイ。
藤沢(和)調教師(以下藤沢調教師と記載)の最後のダービー出走として名前を残す一頭になるかと思いましたが、本番のダービーを回避することが発表されました。残念。
理由としては、青葉賞の走りにまだまだ完成されていないものを感じたから、ということのようです。藤沢調教師の育てたゼンノロブロイやシンボリクリスエスは青葉賞をステップにダービー出走を果たしましたが、そんな二頭と比較するとまだまだだったようです。

まだ完成していない状況の若駒に対して短期間に東京の2400mを二回も走らせるのは負担、という持論は岡部元騎手のコラムでも読んだことがあります。

まだこれから良くなってくる馬で将来性もあるので、ダービーは回避して成長に期待する、そんな狙いが見て取れます。

馬のコンディションを最優先にする

このキングストンボーイのように、大舞台を前にして、出走権を手にしたにも関わらず、馬の仕上がりに問題があれば躊躇泣く回避する、これが藤沢流といわれる(まさにメディアでよく言われる)「馬優先主義」の使い方です。その馬の成長を優先してローテを決定するという一種のマネジメントです。

競馬ゲームをやっていると分るのですが、目標としていたレースに向けて仕上げていく過程で、必ずしも大目標とした本番レースで絶好調とならないこともあります。
そういうときでも、出走させちゃうことが多いんじゃないかと。まぁゲームですし。

しょうが無いから回避しようか…、となることもあるかもしれません。まあゲームですし。

しかし、実際の競馬でこれをやるのは結構な勇気がいると思います。ダービーはその馬にとって一生に一度、そして引退が来年2月に迫った藤沢調教師にとっては人生で最後のダービーなのです。

それでも、馬の体調/調子を優先し、自身の最後のダービー唯一の出走馬を躊躇泣く回避させる、これが名伯楽のゆえんなのかもしれません。

低迷から再び常勝へ

競馬を見始めた90年代から現在に至るまで、競馬界は西高東低と言われています。その中で美浦の中心だったのが藤沢厩舎です。(現在では勢力図は変わりつつありますが、それでも師の存在感は特別)実際名馬を何頭も輩出しています。

しかしゼンノロブロイやシンボリクリスエスが2003年~2004年に古馬戦線で派手な活躍を終え引退してからしばらく、パタッとGI勝利が途絶えていました。それがソウルスターリングとサトノアレスの二頭で二週連続2歳GI制覇を達成してから、突如レイデオロやらタワーオブロンドンやらGI馬を次々輩出し、レイデオロでは悲願とも言えるダービーを初制覇しました。

さらにグランアレグリアのような怪物をターフに送り出すと、現役最強馬アーモンドアイを安田記念で真っ向勝負で打ち破るというジャイアントキリングまで達成してしまいます。
グランアレグリアも脆さがあって負けてしまうことがあったものですが、見事に馬優先主義で花開き、桜花賞でクラシック制覇の翌年にマイルGI春秋制覇を成し遂げました。

この馬ならいけると思えないと使わない、そんな馬優先主義が、引退直前となる最後のダービーでも(引退後のキングストンボーイのことを考えて)回避に繋がったように思えました。

正直、同じ状況でこの判断が自分にできるかと聞かれると、答えに窮するものがあります。悲喜こもごものダービートライアルが一通り終わった週だからこそ思う、この感じ。