ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日はダート界に颯爽と現れたクリソベリルの引退の報に触れ、その戦歴を振り返ってみようと思います。
喘鳴症(ぜんめいしょう)による引退
去年のチャンピオンズC後、ケガで長期休養を余儀なくされていたので、そのケガが悪化したと思っていたのですが、どうやら喘鳴症、いわゆる喉鳴り(ノド鳴り)の悪化で引退となったようです。
ノド鳴りといえば、ダイワメジャーが個人的には印象に残っています。
手術で改善することもあるものの、競走能力が戻る確率は低いと言われており、その手術から復活して古馬になってからGI四勝をあげた名馬の一頭。
しかし、ダイワメジャーは希な例で、やはり競走能力が戻らずに引退してしまう馬が多いようです。
現役ではGI馬ステルヴィオもノド鳴りに悩まされており成績が低迷しています。
デビューから連戦連勝
女傑と呼ばれたGI馬マリアライトの半弟、そしてジャパンダートダービーやコリアCなどGI二勝のクリソライトの全弟、と良血振りから話題となっていたクリソベリルは阪神ダート1800mのデビュー戦を二着に七馬身差、タイム差1.1秒という圧勝で華々しくデビュー。
次走は年明け三月、同じ阪神ダート1800mの1勝クラスでも二着に七馬身差、タイム差1.2秒という圧勝で二連勝、これはモノが違うぞ…、と話題になったクリソベリルの次走は交流重賞の兵庫チャンピオンシップ、ここで出世レースであるヒヤシンスSで二着好走の実績を持つヴァイトブリックを五馬身差置き去りにして圧勝、続くジャパンダートダービーでも二着デルマルーヴル(ヒヤシンスSの三着馬)を三馬身差で快勝します。
兄クリソライトとの兄弟制覇となったジャパンダートダービーが通過点とばかりに、古馬と初対戦となった交流重賞日本テレビ盃でもロンドンタウンやノンコノユメと言ったGI馬を四馬身置き去りにしてすんなり勝利。暮れのチャンピオンズCでも圧倒的な一番人気に推されます。
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クリソベリルを軽視して失敗。ダートの一線級を相手にしてもクリソベリルは強かった。
翌年海外遠征も七着敗退、帰国初戦は帝王賞でした。
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このレース、オメガパフュームにルヴァンスレーヴ、加えてチュウワウィザードにワイドファラオ、ノンコノユメとダート2000mのベストメンバーが顔を揃えたレース。海外遠征が出来ない年だったこともあって帝王賞がかなりのオールスター戦のような顔ぶれが出走してきました。
そんなオールスター戦のようなメンバーで二着オメガパフュームに二馬身差の快勝を見せたクリソベリル、続くJBCクラシックもオメガパフューム相手に二馬身半差(奇しくも三着チュウワウィザードまで帝王賞と同じ顔ぶれとなった結果)の快勝を見せました。
もはや日本のダートに敵はいない、そんなクリソベリルでしたが、連覇を狙ったチャンピオンズCでまさかの四着敗退、チュウワウィザードやゴールドドリーム、インティといったこれまで負かしてきた馬の後塵を拝する結果に終わりました。
チャンピオンズC後にケガが判明し、長期休養、今年2021年日本テレビ盃で復帰しましたが六着に敗退、鞍上の川田JKがレース後のコメントで「息がしんどかった」とコメントを残しており、ノド鳴りの兆候があったような感じがします。結局このレースを最後に引退となってしまいました。
ルヴァンスレーヴとの世代交代、と思っていた
ルヴァンスレーヴが連戦連勝でチャンピオンズC(2018年)を勝利した時、ダート界をこの馬が席巻しそうな感じがしていました。しかし、その後ケガで休養、ジャパンダートダービーでルヴァンスレーヴの二着だった同期のオメガパフュームが頭角を現してきます。
戦列復帰はその二年後2020年のかしわ記念でしたが、ここでは精細さを欠いて五着敗退、あのときの輝きを取り戻せないまま、クリソベリルが勝利した帝王賞を最後にルヴァンスレーヴは引退してしまいました。
同じ三歳チャンピオンズC制覇という実績からルヴァンスレーヴとクリソベリルの二頭は今後のダート界を引っ張っていく存在と思っていましたが、ケガによって光を失ったルヴァンスレーヴに続き、ノド鳴りで引退となったクリソベリル、しかし二頭は無事種牡馬となって、次の世代に自身の続きを託していくことになります。
今年の11月3日、JBCクラシックにはこの二頭と死闘を繰り広げたオメガパフュームが出走予定。オメガパフュームの走りが気になってきた今日この頃です。