ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は歴史的な勝利となった先週のブリーダーズカップについて。日本馬二勝、どの勝利も歴史的な勝利でした。
ブリーダーズカップ歴史的勝利
アメリカ競馬の最大級のお祭りGIブリーダーズカップ、交流GIであるJBCのお手本となった本家の大レースです。
一日に条件が異なるGIを複数開催、競馬ゲームでも有名なBCクラシック、BCターフ、BCマイルにBCスプリント、BCディスタフなど、数多くのGIが2021年の今年はデルマー競馬場で開催されました。
そして、日本調教馬が歴史的な初勝利を挙げるという快挙。
フィリー&メアターフ(芝2200m)をラヴズオンリーユーが制覇、続くBCディスタフ(ダート1800m)をマルシュロレーヌが勝利し日本調教馬が二勝を挙げました。
歴史的な勝利と言えそうなこのレースですが、二勝を挙げたのはいずれも矢作厩舎の所属馬で、矢作調教師は初めてのブリーダーズカップ制覇の日にいきなりBC二勝という快挙を達成しました。
BCフィリー&メアターフ
ラヴズオンリーユーの勝利。
スタートも上々で三番手四番手でレースを進めたラヴズオンリーユー。
前三頭が縦に並ぶ直後に三頭横並びでレースを進めたラヴズオンリーユーは、二周目に入って外から徐々に三番手四番手くらいに上がって行きます。
向正面では徐々に二番人気のウォーライクゴッデスが動いて行き、後方から徐々に進出してきます。
二回目の三コーナー付近から、一気にレースが動き始めて、先頭に馬が密集していきます。
最終コーナーでは前に四頭か五頭が並んで最後の直線に向かっていきます。その中には地元アメリカの二番人気ウォーライクゴッデスの姿も。
ラヴズオンリーユーは包まれているなぁ、と思っていました。前が壁になっているんじゃないかと。
直線に向いて、外からウォーライクゴッデスが先頭に立つ、包まれたと思っていたラヴズオンリーユーの進路が開いた、と思った時、ウォーライクゴッデスとマイシスターナットの間からラヴズオンリーユーが並ぶ間もなく二頭を差し切って先頭に立つ。そのまま差し切ったラヴズオンリーユーが抜け出して半馬身、先頭で駆け抜けていました。
好スタートを決めて、ポジションを取っていったラヴズオンリーユーは、2200mでコースを二週するような小回りコースで、地元の実力馬ウォーライクゴッデスが上がって行くのにも動じず、直線で前が開けるのを待ちきって、鮮やかな末脚を見せて先頭でゴール。
川田JKの手綱で見事な日本馬の初勝利をもたらしました。すごいレースだった。
BCディスタフ
マルシュロレーヌの勝利。
実力馬揃いとなったBCディスタフですが、四コーナーで先頭を奪ったマルシュロレーヌが直線でインから二頭、外から二頭の追撃を受けながらも、最後は粘りきってわずかの差で先頭でゴールイン。
初コンビのO.マーフィーJKの手綱で初めての海外遠征を見事なビッグレースの勝利で飾ったマルシュロレーヌ。
先にBCフィリー&メアターフを勝利したラヴズオンリーユーの勝利も歴史的な快挙なのは間違いないのですが、アメリカ競馬といえばダートのレースの本場、その本場といえるダートレースに牝馬限定戦とはいえ牝馬の頂上決戦といえるBCディスタフを勝利したマルシュロレーヌもかなり歴史的な快挙といえるのではないかと思います。
平安Sやブリーダーズゴールドカップでは対抗で予想していましたが、そのマルシュロレーヌが海外GIを制覇するとは思ってもいませんでした。改めて日本の競馬のレベルが上がったことを実感させる勝利だったように思います。
しかもマルシュロレーヌ、名牝キョウエイマーチの孫なんですよね。ふと土砂降りの中ずぶ濡れで観戦したあの桜花賞を思い出しました。
しかもマルシュロレーヌの母はキョウエイマーチが輩出した唯一の牝馬ヴィートマルシェの産駒、なんだか血のロマンを感じますね。
最後に
昔小耳に挟んだあるケンタッキーダービーオーナーの談。
「欧州よりアメリカ競馬の方がオープンな分、チャンスはあるよね。」
あれだけトップクラスの日本馬が数多く目指した凱旋門賞よりも先に達成されたブリーダーズカップ制覇の快挙、オープンなアメリカ競馬という環境が手伝ってくれた面もあるのかもしれません。