ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日はなんとなく思ったマイラーとスプリンターのことをぼんやり書いています。
昔は一括りだった「短距離馬」
昔は、マイラーとかスプリンターという呼称はあったものの、マイルで強い馬はスプリンターとしても強いことが多かった印象。これらの馬は「短距離馬」とカテゴライズされ1800m未満のレースで実力を発揮するスピードに恵まれた馬という区分けだったと思います。
スピード競馬全盛となる前にはマイルGIとスプリントGIを両方制する馬もちらほらみられました。
古くはニホンピロウイナーとかタイキシャトル、2000年代ではデュランダルなども有名です。新しめなところではロードカナロアなどもスプリントGIとマイルGIの両方を制しています。
昔でもスプリント専門の馬はいましたが日本競馬史上最強スプリンターの一頭と言われるサクラバクシンオーは最強マイラーと呼び声高いノースフライトとマイルCSで叩き合いの末で二着があるように、最強スプリンターはマイルでも走れる馬が多かった印象があります。
距離が持つマイラー
以前も何頭か活躍をみせている距離持つマイラーという存在もあります。
古くはニッポーテイオーやヤマニンゼファーのようにマイルGIと天皇賞(秋)を勝利しているような馬とか、最近だとモーリスもマイルGI+天皇賞(秋)+香港Cの勲章を持って種牡馬入りしました。その他にもマイラーながら1800mの重賞で通用するインディチャンプとかシュネルマイスターなんかもこのカテゴリに入りそうです。いずれも距離短縮でスプリント戦よりは距離延長で1800mや2000mまでこなせるというタイプ。
ちなみに、前述のノースフライトはエリザベス女王杯(当時は京都2400m)でホクトベガの二着という成績があったり、阪神牝馬特別(当時は阪神2000m)の勝利があって、スワンSでサクラバクシンオーに届かず二着という成績があることから、このカテゴリに入るような印象があります。いまだマイル最強牝馬といわれる一頭です。
距離が持たないスプリンター
最近の短距離レース体系の整備が進んで、短距離レースでも分業化が進んでいるような印象があります。純粋にスピードに勝るスプリンターだと安田記念やマイルCSは勝てない、という。
昔はスプリント戦だけというローテも難しかったような感じで、1400mちょっと長いんだけどなぁと思いながらレースに使われていた感じがしますが、最近のスプリンターには新潟芝1000mという千直レースがあるために、さらに距離短縮というのも出来てしまうという。
ちなみに距離が持つスプリンターはマイラーのくくりになるし、距離が持たないマイラーはスプリンターそのものということで割愛します。
1400mのレースはどっちのもの?
マイラーにとって一ハロン足りない、スプリンターにとって一ハロン長い、どっちも詰めが甘くなる1400mのレース。非根幹距離と言われる短距離戦ですが、GIこそないものの京王杯スプリングカップや阪神カップのように実力が要求されるレースの距離となっています。
個人的には1400mベストの馬のためのレースという印象があるのですが、なんとなく阪神カップはスプリンターが活躍している印象で、京王杯スプリングカップはマイラーが活躍している印象があります。京王杯スプリングカップは安田記念の前哨戦だから、というのもあるかも。
しかし、近年安田記念に直結しなくなったような感のある京王杯スプリングカップは、スプリンター寄りの馬が活躍する傾向もちらほら。例えば今年のメイケイエール、高松宮記念五着から京王杯スプリングカップ勝利で秋に向けて英気を養っています。
その次走となる本番安田記念は奮いませんでしたが、一昨年もスプリンターのダノンスマッシュが勝利しました。
その前年にはマイル路線から路線変更のタワーオブロンドンが勝利して、サマースプリントを経てスプリンターズSを勝利し初めてのGI勝利へつなぎました。
1400mのレースはマイラーもスプリンターも戦える距離なのですが、どうもスプリンターの方に分があるような印象がする今日この頃です。(あくまで私見ですが)
マイラーとスプリンターの分業も?
かつては短距離馬と一括りだった日本競馬では、徐々にレース体系が整備されてきて、マイラーのための路線とスプリンターのための路線がそれぞれ確立してきました。
これらのレース体系の整備によって昔のようにマイラーがスプリント戦で、スプリンターがマイル戦で活躍するということも減ってきたような感じがしています。それでもグランアレグリアのような破格の実力馬がどっちでも勝ち負けするような走りを見せることはありますが。
有力馬がそれほどレースに出走しなくなった昨今では、マイラーなら1600mのレースだけ/スプリンターなら1200mのレースだけ、と決め打ちして使い続けることもできるローテが存在しています。そのうちマイラーとスプリンターの頂点に立つ実力馬同士が戦うということもなくなってしまうのかもしれません。
一方で、現在の1400mのレースはマイラーにとってもスプリンターにとっても、そして(穴狙いが出来ると言う意味で)1400mベストな馬にとっても力を発揮できる舞台ということで、個人的には結構レースを楽しんでいます。