ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日はモーリス産駒についてのちょっとしたポイントを自分用に記録。
2022年博多S
勝ったのは五番人気のルペルカーリア、父モーリスと母シーザリオの仔です。最後の直線で二番人気ムジカが上がり三ハロンメンバー中最速の脚を繰り出して猛追しましたが、3/4馬身差で押し切ってなんとか勝利をモノにしました。
ルペルカーリアは元POG馬ということもあって贔屓目も入っていたのですが、割れていたとはいえ五番人気と今一つの評価のなかを勝ち切ることができました。しかしこの博多Sの前走はマイル戦の現級(準オープンクラス)で11着と大敗していて、二ハロン距離延長での勝利でした。
二走前には東京マイル戦の湘南Sで三着、マイルに距離短縮で勝ち上がりそうな雰囲気を見せたあとの大敗、そこから小倉2000mの準オープンクラス勝利、というステップがルペルカーリアのオープンクラス昇格を決めた勝利となりました。
モーリス産駒の特長
モーリス産駒の特長としてよく挙げられるのが、「スピード能力が高い」「瞬発力勝負に弱い」というポイント。
切れ味を要求される瞬発力戦でキレ負けと言われる負け方をすることがよくあります。ディープインパクト産駒のような瞬発力を信条とするライバルにコロッと負けるようなレース振り。
かと思えば、行った行ったで飛ばして押し切ってしまうようなレースは後ろから末脚を駆使して飛んで来たとしても構わず押し切ってしまうような強さを見せるレースもあります。
代表的なモーリス産駒から考えてみる
出世頭ピクシーナイトは、デビューから二戦は控えて上がり最速で差し切っていますが、三戦目の初重賞挑戦では逃げの一手から逃げ切り勝利、後に重賞勝利するルークズネストを下して初重賞初制覇しています。
その後、古馬との初対戦となった重賞二戦は控える競馬でしたが、スプリンターズSでは番手を追走し押し切って勝利、前崩れにならないことは前提ですが、控えて切れ味で勝負するというよりは、持ち前のスピードで前で流れに乗って押し切る、というレースが得意のように見えます。
もう一頭の出世馬ジャックドールはピクシーナイトよりさらに分かりやすい逃げ馬で、ハナを切って逃げて後続を完封、五連勝で重賞制覇を達成しました。初GIだった大阪杯はさすがに自身初の1000m58秒台のハイペースに加えて落鉄もあって五着に敗退となりましたが、その前走の金鯱賞で見せたようなテンの速さでハナを奪って自分のペースで、という展開ならやはりまだまだやってくれそう。
6月に重賞初制覇を果たしたノースブリッジも相手次第では控えることもあるけど、基本的にはスピード能力にものを言わせて前目で押しきってしまうようなタイプに見えますし、同じ6月に準オープンクラス勝利でオープンクラス昇格したトゥーフェイスもノースブリッジと同じようなタイプに見えます。
例外的な産駒も
モーリス産駒でも速い上がりの脚を使って勝ち負けしている産駒もいます。それがジェラルディーナ、四歳牝馬で重賞未勝利ではありますが、レースのほとんどで上がり最速、あるいは三位以内の上がりの脚を使っています。モーリス産駒では珍しいケース。
母が名牝ジェンティルドンナで、母父は当然ディープインパクト、という母系の恩恵を受けているような感じもするジェラルディーナ、ただ重賞では上がり三ハロンメンバー中最速の脚を繰り出しても届かず掲示板くらいが精一杯というレースもあり、やはりモーリス産駒は切れ味で勝負というタイプじゃないのかなと思わせる成績。
ジャックドールは札幌記念、トゥーフェイスは新潟記念、ジェラルディーナは小倉記念、ノースブリッジは毎日王冠(あるいはオールカマー)と、三頭がサマー2000の対象重賞を予定しています。ここでそれぞれのモーリス産駒がどのような走りを見せるか気にしておきたいところです。
小回りコースは2000m持つ
マイル前後の距離はさておき、モーリス産駒の2000m実績は小回りコースだよね、というのも割とよく聞く話。
小回りコースは中山やローカルの小倉、札幌のような2000m戦でコーナー四つ使うようなコースのことです。マイル前後が得意な産駒が多いモーリスの仔が距離持つ場合は小回りコースであることが一つの要件としてありそうです。
ざっと眺めて見ると、確かに2000m戦になると中山やローカルコースが目立ちます。あと阪神2000mも割と目立つのはたぶん阪神2000mは内回りで小回りコースとなって外回りコースを使う1600mや1800m戦のような瞬発力勝負になりにくいコースだから。
内回りを使う阪神2000m-2200mというコースでも瞬発力より長くいい脚が要求される特徴があることから、モーリス産駒に向くのかもしれません。(2200mが一ハロン長いんじゃないかということで出走自体が少ないですけど。)
でもそう考えると、条件戦とはいえ阪神1800m戦を上がり三ハロンメンバー中最速の脚で勝ち切ったジェラルディーナってやっぱりモーリス産駒っぽくない?ような気がしてきます。