ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は前回<競馬雑学:距離短縮で頭角を現す馬 - SpecialなWeekを目指す競馬日記>にちょっと出てきた「揉まれ弱い馬」とは何かについて記してみます。
揉まれる、の意味
まずは「揉まれる」ということが何か、という点を。
馬は集団で走る本能を持った動物なので、周囲に馬がいる状態となる馬群の中で走るのが基本です。
ですが、レースにおいて馬群に入ると周囲に馬が密集した状態となっているので、隣とぶつかったり、前の馬が下がってきて自分の思い通りの(ベストなペースで)走れなかったりすることがあります。
この「自分がベストで追走できる走りが出来なくなるような状態」を「揉まれた」とか「揉まれる」と表現していることが多いようです。
人間の世界でも、混雑で自分のペースで歩けないような密集した状態で"揉みくちゃになる"という表現を使うことがありますが、それと似たようなものと認識しています。
馬格の問題
小さい馬というのは周囲を体の大きな馬に囲まれてしまうと怯んでしまうことが多いようです。人間でも体格がいい(ガタイの良い)大男に囲まれるとやっぱり怯んでしまいます。仕方ない。
競馬のレースでも、小さい馬=馬格に恵まれない馬、というのはレース中に周囲を馬格のある大型馬に囲まれてしまうとそこから抜け出すことができないとか、怯んで後ろに下がってしまうとか、そういったロスもあって馬体重が小さな小型馬は揉まれ弱くなることが多いようです。
そう考えると、現役最軽量の馬体重で戦う小型馬メロディーレーンはメンタル強いですよね。揉まれても走る。
気性の問題
で、揉まれると何故弱いのか、という点です。
馬の気性も十人十色、逆境に負けないメンタルを持つ馬もいれば、ちょっとしたことですぐにやる気をなくしてしまう繊細なタイプもいます。
この中で、逆境に弱いタイプが「自分のペースで走れないと最後まで踏ん張れない」とか「自分のペースで走れないとやる気をなくしてレースを止めてしまう」とか、そういったレース振りを「揉まれると弱い」=揉まれ弱い馬、と表現するようになります。それは気性の問題であることが多いようです。
気が弱い馬のこと揉まれ弱いというのですが、馬込みに入ると揉まれ弱い馬は思うように力を発揮できず敗退してしまうことが多くあります。
ダートは揉まれ弱い馬に不利?
ダートのレースでは芝より揉まれ弱い馬についてのコメントが目立つことがあります。
これは、レースになって道中の追走で揉まれ弱い馬にとって気になる点があるから。(たぶん)
芝と違ってダートでは前を行く馬が蹴り上げる砂を後ろの馬が被ることになりますが、これが揉まれ弱い馬にとっては走りに影響することがあります。砂を被るとダメとか揉まれ弱いタイプなので前に(逃げたい)とか。単純に前目スピードで押し切るような(で勝ち上がってきた)タイプがスタートでロスして馬群に入ってしまったとき、(これまで揉まれる競馬をしてこなかった分だけ)揉まれ弱さを出してしまい敗退してしまうこともあります。
二歳戦で気にしているポイント
個人的に二歳戦で気にしているポイントです。
二歳馬は基本的に揉まれ弱いもの、と前提して考えています。
馬込みに入れて直線で馬群から抜け出す脚を持っている馬は行った行ったで逃げ切って勝利した馬よりレースへの適応力があると考えて、迷ったときは「馬込みで我慢がきく方の馬」を採ることにしています。
行った行ったで逃げ切り勝利した馬はまだ揉まれた経験がないということで、揉まれても大丈夫なこともありますが、揉まれると脆さを出す場合もあり、判断が付きにくいです。
しかし、一回でも馬群で揉まれながら勝利した経験がある馬なら「ある程度揉まれても大丈夫」という判断はできることになります。二歳戦では少ない戦歴から予想を導き出す必要があるため、少ないレース経験からより優れた馬を見つけるために揉まれた経験があるかどうかと言う点を気にしています。