ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は昔より有名な夏競馬の格言「夏の牝馬」について。特にデータを検証したわけではありません。
昔から言われる「夏の牝馬」
夏場には牝馬の活躍を象徴するような格言「夏の牝馬」という言葉が昔から格言として伝わっています。
夏競馬のシーズンには不思議と牝馬の活躍を目にするということから、牝馬を積極的に狙っていけという格言です。
最初に思い知った夏の牝馬
夏競馬は荒れることが多いとされています。初めて夏の牝馬を実感したのは1995年金鯱賞(当時は中京芝1800mのGⅢ)でした。ここで九番人気の牝馬サマニベッピンが上がり三ハロンメンバー中最速の脚を繰り出して一気に前を差し切って快勝、二着には二番人気の七歳牝馬フェイヴァーワンが入線したものの荒れた結果となりました。
このレースで「夏の牝馬」って格言の存在を改めて実感しました。
この年は小倉記念も六歳牝馬スプリングバンブーと五歳牝馬のゴールデンジャックの二頭で決着しましたし、新潟記念では六歳牝馬アイリッシュダンスが快勝、二着こそ騸馬でしたが三着に七歳牝馬ブランドミッシェルが入線していたりと、夏の牝馬を実感する年でした。
他にも(古い話ですが)夏に活躍したと言えばリヴリア産駒のワコーチカコとか、鉄の女と呼ばれた牝馬イクノディクタスも有名です。
なぜ牝馬を狙うのか?
前述の例のように、春のGIシーズンや秋のGIシーズン、冬の寒い時期と比べて、「なんだかやけに牝馬が活躍する季節だから」ということが牝馬を狙う理由です。
じゃあ、なぜ活躍するのか?という不思議が出てきますが、これは他のサイトで良く検証されている説明もあるので、個人的に頭に入れていることを。
以前の牝馬
最近では牡馬と互角に戦って勝ちきる牝馬の姿も珍しくない時代になりましたが、昔は牝馬はやっぱり牡馬と比較して一枚落ちる存在でした。牝馬同士ではめっぽう強いダンスパートナーやメジロドーベルが牡馬の一線級と戦うと一枚落ちる、みたいな。ヒシアマゾンやエアグルーヴのような存在は希な存在でした。
これが、夏競馬という舞台設定で牝馬と牡馬が拮抗するようになってくる、ということで夏の牝馬という格言が生まれたような気がします。
夏競馬はローカル競馬場
夏は東の東京・中山、西の阪神・京都から、北海道シリーズの函館・札幌を始めとして、福島、小倉や新潟に開催が移ります。これらのローカル競馬場の特徴と言えば「平坦小回り」が挙げられるのではないかと。
中山に代表されるように坂で力の要求されるコースが、坂のない平坦コースに開催が替わることで要求される能力が変わってきます。
東京コースのように、瞬発力に特化した馬が活躍するようなコースも直線の短いローカル競馬場では(新潟は例外的に直線は長いですけど)スピード能力の絶対値が高い馬に押し切られてしまうこともしばしばあります。
メイン開催がローカル競馬場となる夏競馬では要求される能力がGIシーズンとちょっと違ってくる、というのは理由としてありそうです。
一線級の馬は休養
GIで勝ち負けするような一線級の馬は大レースの少ない夏を休養に充てることが多く、夏場のレースはこれからGIを目指していこうとする馬同士の競い合いになることが多い印象です。
もちろん例外的に夏に稼働する一線級の馬もいますが、秋のGIシーズンに備えて休養に入っています。
夏は牝馬が強くなるというよりは、夏に積極的に出走してくる牡馬のレベルが落ちる、と考える方が良いのかもしれません。
ハンデ戦が多い
札幌記念は定量戦ですが、基本的に夏競馬の重賞はハンデ戦が多い印象です。ハンデ戦はハンデキャッパーが斤量を決めるレースですが、やはり牝馬にはある程度手心が加わっていることが多い印象があります。
夏に限らず、ハンデ戦では軽ハンデの○○を狙え、ということが多くありますが、夏においては軽ハンデの牝馬を狙うということで高配当を狙えるのかも。
夏の牝馬は芝で狙う
これも最近よく言われる話で、ダートのレースではイマイチ夏の牝馬の格言が当てはまらず、芝のレースでこそ夏の牝馬を狙うという格言が活きてくる、というものです。
サマーシリーズも中盤戦に入ってきています。夏の牝馬を見抜けたら気持ちいい。