SpecialなWeekを目指す競馬日記

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競馬雑学:タイキシャトルが世を去る

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日は90年代の名馬の一頭タイキシャトルの旅立ちの報を受け、思い出を振り返って見ます。

冠名タイキの馬

タイキシャトルの前に冠名タイキの馬といえばやはりタイキブリザードが超が付くほど有名でした。その善戦マンぶりから実力はあるのに勝ち切れない馬との認識でしたが、97年安田記念をこれまでの先行策から打って変わって末脚勝負で上がりの脚を駆使してGI馬ジェニュインを二着に従えての快勝、前走京王杯SC勝利から二連勝での安田記念制覇は善戦マンのイメージを払拭する走りでした。

個人的にはダート路線でコツコツ活躍したタイキシャーロックやタイキパイソンなどが冠名タイキの馬として追い掛けた馬です。NHKマイルCを当時の四歳(いまの馬齢で三歳)としては破格のレコードで勝利したタイキフォーチュンも有名でした。

こういった冠名タイキの先輩達が活躍を見せていた97年にタイキシャトルはデビューします。

タイキシャトル同期はスター多し

確かこの97年クラシック世代はブライアンズタイムの当たり年と言われていた世代で、クラシックでは世代トップのサニーブライアン(といってもクラシックは穴馬でメジロブライトのほうが人気)が二冠を制覇していたり、朝日杯の勝ち馬マイネルマックスを始めとして重賞馬セイリューオー、皐月賞二着馬シルクライトニング、オープン特別勝利(後の重賞馬)エリモダンディー、後の名馬シルクジャスティス、秘めた実力馬ヒダカブライアンといったブライアンズタイム産駒が特に活躍を見せた年でした。
しかもその同期はメジロブライトだけでなくサイレンススズカやマチカネフクキタル、希代の癖馬ステイゴールドといった後に活躍する名馬も同期でしたし、牝馬クラシックではキョウエイマーチとメジロドーベルという二大スターが競馬を沸かせた世代です。
外国産馬でもシーキングザパールという海外競馬で歴史を作った牝馬や当時としては破格の三歳安田記念三着馬スピードワールドもいて、とかくスターが輩出された世代でした。

タイキシャトルがGI馬になるまで

そんな華やかな(といってもそのときはまだ知らないけど)世代でタイキシャトルはデビューからあっという間に三連勝、菖蒲Sでオープンクラス初勝利を挙げました。
このときは確かシンコウスプレンダとナリタジュピターを狙っていたような記憶があります。
次の菩提樹Sでは逃げ馬を捕らえきれずクビ差二着に終わりましたが、クビ差三着だったトーヨーレインボーとポートブライアンズを狙っていた自分には縁もなく、さらにその次走はダート重賞ユニコーンSをあっさり快勝して重賞初制覇、その次走は古馬との初対戦となるスワンSで(本命にしたスギノハヤカゼの追撃を振り切って)サラッと勝利を収めると、本番のマイルチャンピオンシップでは同期のキョウエイマーチとトーヨーレインボーを従えて堂々の先頭ゴールでした。
ちなみにサイレンススズカが暴走ペースでレースを沸かせたのはこのマイルチャンピオンシップの前走となる天皇賞(秋)です。

年末のスプリンターズS(当時は12月3週目開催)でも前年の勝ち馬フラワーパークやスワンSで死闘を演じたスギノハヤカゼなどを退けて勝利を収めると、タイキシャトル時代が短距離界に誕生したと言える完璧な強さを誇っていました。

海外挑戦、そして引退

翌年は京王杯SC勝利から安田記念をあっさりと二馬身半差で勝利、もうタイキシャトルに敵う短距離馬は現役にいないと思われていました。
特にこの安田記念はエイシンバーリンが逃げて二番手追走の外国馬オリエンタルエクスプレスが二着に粘り込み、さらに三着には最低人気のヒロデクロスが最後に突っ込んできてワイドや三連単、三連複があったら良い配当になったことだろうと思います。
シーキングザパールとスピードワールド、トーヨーレインボーにエイシンガイモンあたりで狙っていた私にはまだタイキシャトルの強さが分かっていなかったんだろうなと。
そして外国馬を安田記念で破ったタイキシャトルはフランスへ海外遠征、当時としては珍しいジャック・ル・マロワ賞に出走しここでも見事勝利を収めます。
同期のシーキングザパールが海外GI初制覇(モーリス・ド・ゲスト賞勝利)が偉業という時代、その翌週にタイキシャトルがあっさりとジャック・ル・マロワ賞を勝利してしまったとき、なんだかいままで日本の競馬って海外から散々言われていたようでしたが、新しい時代になったのかなぁと思ったものでした。

帰国後初戦のマイルチャンピオンシップも単勝1.3倍の一番人気に応えて五馬身差の圧勝、ちなみにこのときの三着もヒロデクロスが最後方から殿一気の大駆けでまたヒロデクロスか…と思ったものです。しかし最後方で脚を溜めて直線勝負のヒロデクロスと四角三番手の先行策を採ったタイキシャトルの上がり三ハロンのタイムは同じメンバー中最速の36.0秒と、ここでもタイキシャトルの凄さは光っていました。

次走スプリンターズSで引退を表明したタイキシャトル、単勝1.1倍と前走を上回る期待を背負っての引退レースでしたが、四角からマイネルラヴとの叩き合い、さらに後方から上がり三ハロンメンバー中最速の脚で一気に飛んで来たシーキングザパールの三頭で並んだ直線、最後はマイネルラヴに軍配が上がり、アタマ差二着シーキングザパール、クビ差三着がタイキシャトルの順で決着しました。

改めて単勝1.1倍のタイキシャトルでも負けてしまう引退レースで有終の美って難しいんだなぁと実感した一方で、春のGIから海外に秋のGIと連戦したタイキシャトルの凄さも感じたスプリンターズSとなりました。

ちなみに五歳馬タイキシャトルが四歳馬マイネルラヴに負けたスプリンターズSの翌週には、有馬記念で五歳勢大将格メジロブライトが四歳馬グラスワンダーに半馬身差負けてしまうというレースに、五歳勢から四歳勢への世代交代をこのとき感じたものでした。

タイキシャトルは

思い出を振り返って、タイキシャトルとは「ただただ強い馬」という印象だった現役時代でした。
種牡馬となってからはすぐにウインクリューガーを輩出してGIマイラーを送り出してくれましたが、個人的には皐月賞とNHKマイルCで本命にしたメイショウボーラーの方がタイキシャトル産駒を追い掛けたかなぁという記憶があります。メイショウボーラーはダートに路線変更してフェブラリーSを制しGI馬になりました。
あとはエアウイングスと交配されウイングレットを輩出しました。ウイングレットはデビューから追い掛けた一頭で、牝馬限定重賞で主に活躍、産駒はなかなか厳しい成績に終わっていますが、まだ産駒は控えていて、2021年にはロゴタイプ産駒という個人的にはアツい血統の牡馬がデビューを控えています。

こうしてタイキシャトルの強さは伝説へ、日本競馬が海外で戦えることを証明した一頭として語り継がれていきます。