ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は小牧(太)JKのJRA免許取消とNAR復帰の報を受けて、印象にに残っているレースを書いてみようと思います。個人の思い入れがあるレースを取り上げています。
小牧(太)JKが移籍
2024年7月24日、JRA発表で中央競馬の騎手免許取消の申請が小牧(太)JKから提出されたことが公表され、同年7月31日付けで中央競馬の騎手免許取消が決定したとのこと。
先んじて4月にNARの騎手免許試験の受験と、古巣の兵庫競馬への復帰が報じられていたのですが、いよいよ本格的に古巣の復帰が決定したようです。
これに伴い、JRAのレースの騎乗数はほとんどなくなることになりますが、交流戦などの兵庫競馬代表馬に騎乗してJRAのレースに参戦してくれるかもしれません。まだ引退ではないので、兵庫競馬所属のジョッキーとして次なるステップに進むことになりました。
そこで、中央競馬で小牧(太)JKが残してくれた個人的な思い出をいくつか記録してみたいと思います。
思い出のバラ一族
小牧(太)JKといえば、橋口弘次郎厩舎の騎乗馬が目立つ鞍上でした。実際JRA移籍後の中央競馬重賞初勝利はフィリーズレビューのローズバドで、その後もロサードでの小倉記念とか、GI一番人気の実績があるダイタクバートラムで勝利した北九州記念とか、二歳GⅡデイリー杯2歳S勝利のペールギュントなど、どれも橋口弘次郎厩舎の騎乗馬で重賞勝利を挙げています。しかし名門厩舎ということもあってメインじゃなくサブのような感じがする起用が多かったイメージでした。
この中でも、バラ一族のファンでもあるのでロサードを久々に勝たせてくれた小倉記念はかなり印象に残っているレースの一つでした。ただ小倉記念後の次走毎日王冠はあっさり横山(典)JKへ乗り替わりになっていて競馬の厳しさというのも感じたものです。
そういえば、ローズバドもフリーズレビューの一戦だけで次走フローラSから本番オークスに掛けては横山(典)JKへ乗り替わりしています。オークス二着から秋も秋華賞二着、続くエリザベス女王杯二着と四戦連続二着の好走を見せましたが、その鞍上はフィリーズレビューを勝たせた小牧(太)JKではありませんでした。
GI初勝利は桜花賞レジネッタ
そんな状況でも好調の波は来ます。2008年のクラシックは牡馬も牝馬もまずまず有力な馬に騎乗する機会が出てきました。
牡馬のスマイルジャックはスプリングSを制して皐月賞で四番人気も着外、しかしその次走のダービーでは12番人気の低評価を覆して勝ったディープスカイに一馬身半差の二着と好走します。
牝馬のレジネッタは前述のスマイルジャックと同じ12番人気だった桜花賞でしたが、1000mを58.5秒のハイペースの流れを中団待機、直線で目の覚めるような末脚を発揮し、四角10番手から前をまとめて差し切って勝利を収めました。小牧(太)JKのGI初勝利がクラシック桜花賞、そして12番人気のレジネッタだけでなく二位のエフティマイアは15番人気と人気薄だったことでレース時点ではクラシックの最高配当となる大波乱となりました。
実力を認められた小牧(太)JKは、こうしてスマイルジャックやレジネッタといった橋口厩舎以外の騎乗でも結果を出すようになっていました。
とはいえ、こういった騎乗馬は少なく、あまり主戦とはいえない状況での騎乗しか見てなかったのですが、そんなとき出会ったのがローズキングダムとのコンビです。
デビューからローズキングダム主戦騎手に
ローズキングダムはローズバドの三番目の産駒で、兄弟にも騎乗していた小牧(太)JKがデビュー戦から手綱を取ることになりました。
仲間内のPOGで取っていたこともあり、ローズキングダムのデビュー戦はかなり力が入った応援をしていました。デビュー戦の相手は後に名馬となるヴィクトワールピサが単勝1倍台の一番人気でしたが、単勝2.2倍で続く二番人気にローズキングダムが推されていて、三番人気の馬が単勝19.6倍とかなり二頭が抜けた人気になっていました。
オッズだけでなくレース内容もヴィクトワールピサとのマッチレースとなったデビュー戦、このレースを直線早目先頭に立ち、ヴィクトワールピサを抑えてデビュー戦を勝利で飾りました。そこからトントン拍子に重賞制覇(とはいえアタマ差の接戦で危なかったけど)、そこから朝日杯FSを制覇し、レジネッタの桜花賞に続いてGI二勝目をローズキングダムの朝日杯で達成しました。POG馬だったから小牧(太)JKに感謝した記憶があります。
でも翌年の初戦スプリングS敗戦から本番皐月賞を四着、母ローズバドがオークスで末脚を見せ二着だっただけに、ローズキングダムのダービーに期待をしていました。
しかし、その前の週で小牧(太)JKが騎乗停止を食らってしまい残念ながらここで乗り替わりとなってしまいます。
小牧(太)JKが降りたローズキングダムはその後ダービー二着、神戸新聞杯ではダービーで負けたエイシンフラッシュにリベンジとなる勝利、菊花賞も二着と好走をみせ、小牧(太)JKから乗り替わった後に活躍を見せる皮肉な結果となりました。騎乗停止がなければ…、なんて考えた人もファンの中にはいたんじゃないでしょうか。
徐々に騎乗数が減少
GIで活躍を見せていた小牧(太)JKでしたが、その後若手の台頭に押されて騎乗数が減少していきます。2015年くらいを境に徐々に騎乗数が減少、連れて勝ち鞍も減少していっています。
馬質も今一つだったと想像しますが、それにしても2020年からはグッと騎乗数が減少していて、活躍の場がなくなってきた印象がありました。
おそらくそういった背景もあって、古巣の兵庫競馬への移籍を決めたんだろうなと想像しました。新しいステージでも長く活躍して欲しいですね。そして交流重賞で戻ってきてJRA重賞でまたレジネッタの時のような騎乗を見せて欲しいです。