ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は暑熱対策による開催の変更で、中京開催となった小倉記念を考えてみます。
今年は中京開催の小倉記念
暑熱対策により、前週までの新潟開催は特殊なレース順となっていましたが、今週から開催となる中京開催も例年と違った特殊な開催となっています。
例年は夏競馬は中京開催から小倉開催となり、秋競馬にバトンタッチしていくのですが、今年は夏競馬の始まりが小倉開催、暑さど真ん中の8月が中京開催となり、時期をまるごと交換した格好になります。
これによって、8月小倉の名物レースも今年は中京開催で施行されることになりました。今週の小倉記念が中京2000mで開催となります。この他にも小倉サマージャンプとか小倉2歳Sといった小倉を冠するレースも中京開催となります。
中京2000mの特長
JRAのホームページに掲載されている中京2000mコースの特長から気にする点を記載してみます。
スタートが坂の途中からになるため、レースのスタートから坂を上りながら先行争いをすることになるコースです。
このため、逃げ・先行馬は特に前のポジションを取りに行かなきゃいけないのですが、坂によって無理に押して行くと消耗することもあります。坂を上りきったら一コーナーにさしかかり、やや流れが落ち着く傾向はあるものの、そこから向正面に入ると今度は緩い下り坂が始まって徐々に流れが速くなってくる傾向があります。
残り600mが四コーナー付近で下り坂となっていることもあり流れが速くなってきますが、最後の直線に入ると最後の坂を克服する必要があるため、平坦小回りのローカルコース専門の馬には厳しいコースになっています。
例年の小倉記念と違う傾向になりそう
今年の小倉記念は例年と違ってこの中京2000m、過去に(98年小倉記念)京都で小倉記念が開催されたことはあるものの、中京開催での小倉記念は初めてのことで、中京の傾向と小倉記念の傾向の両方を見比べて予想する必要がありそうです。
前述のように直線では坂の有無が異なってきます。平坦小回りの小倉コースに対して、直線では高低差2mの急勾配がある中京の坂、お終いの脚も使いどころも例年と相違してきそうです。
また、小倉は右回りコース、中京は左回りコース、サマー2000シリーズは基本的に右回りコースがほとんどで、最終戦の新潟記念だけ左回りコースだったのですが、今年は小倉記念も左回りコースの中京開催ということで、サマー2000シリーズを獲りにきている有力馬の立ち回りも変わってくるかも。新潟記念を意識したサウスポーにも注目したい感じがします。
例年の小倉記念のような波乱は?
小倉記念と言えばハンデ戦らしい軽ハンデの穴馬が勝ち切るまであるレースというイメージがあります。
2020年にアールスターが鞍上長岡JKを背に10番人気の低評価を覆すイン強襲での勝利があったり、2016年には11番人気のクランモンタナが逃げ馬にくっ付いて終始二番手追走から押し切って人気馬の追撃を振り切って勝利し波乱となったこともあります。今気づいたのですが、両方とも3枠3番でした。
ただ、穴馬だけというわけでもなく、2022年にはマリアエレーナが五馬身差の圧勝を見せたレースもあります。このとき10番人気ヒンドゥタイムズが一番人気ジェラルディーナをハナ差退けて二着入線、波乱の立役者となりました。
2018年と2019年は二年連続でトップハンデの一番人気が勝ち切って、小倉記念にしては平穏決着となっています。(他場でも強かったけど)小倉重賞では無類の強さを発揮していたトリオンフに後に海外GI勝利をするメールドグラースではさすがにハンデで斤量差があっても構わず勝ち切ってしまうということもありました。
2023年は人気を集めたマリアエレーナが四着に終わったことでやや荒れといった感じの決着でした。割と五番人気までの上位人気に推された馬が掲示板上位四頭を占めたことで、波乱の小倉記念にはならなかったような感じのレースです。
前年に圧勝した実績のあるマリアエレーナだけでなく、過去の勝ち馬モズナガレボシも着外に終わりました。
平坦小回りですが前残り傾向もありつつ、開催が進んで外差しも決まるくらいの時期に開催されていることもあって、去年は前で残った勝ち馬エヒトだけでなく、逃げ馬のテーオーシリウスも二着に粘り込んでいましたが、三着ゴールドエクリプスや五着カレンルシェルブルといった追込み一気の末脚勝負な馬たちも上位争いに絡んできて見応えあるレースになっていました。
これが中京開催に変わるとどう変化していくか、今年の中京2000m開催となる小倉記念はいつも以上に予想時に調べる範囲が増えそうです。
なんとなくのメモ
だいたいは瞬発力勝負で負けてきたような馬が、平坦小回りの小倉コースでロングスパート対決となり勝ち切るパターンは多いような感じです。ただ、中京開催となる今年はこの傾向もガラッと変わって瞬発力勝負になるかもしれない。
坂の有無というのも得意/不得意の傾向に入れたい感じです。坂があると成績が今一つなローカル巧者は小倉記念では例年歓迎しますけど、今年は割り引きが必要。左回りや中京コース実績も注視したいですし、例年準オープンクラスから出走して好走するケースもあるので、6月の東京開催から参戦とか新潟から転戦してくる馬とか注目してみたいかも。