ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は競馬界の引退シーズンである二月にちなんで、一足先に2024年でラストランを迎えた印象に残っている馬を振り返ってみようと思います。まずは中長距離牡馬から。
シャフリヤール
ダービー馬ながら古馬になってからは世界を飛び回ったシャフリヤールが六歳有馬記念を最後に引退し、種牡馬として次のステージへ進んで行きました。
数多くの産駒を輩出したディープインパクトの産駒で、全兄が皐月賞と大阪杯を制したアルアインという良血馬、敵なしだった三歳時のエフフォーリアに唯一土を付けたダービー馬で、翌年にはドバイシーマクラシックを制して海外GIも制した強豪でした。その後も勝てなかったまでも大舞台での好走は目を引き、引退レースの有馬記念では10番人気の低評価ながら最後の最後でも二着に好走した実力はディープインパクト後期産駒の世代として存在感のある一頭でした。
全兄のアルアインが2000mを超えると今一つで、1600m~2000mを主戦場としていたのに対し、シャフリヤールはクラシックディスタンスである2400mに適性を見せ海外でも国内でも芝2400mというレース条件にこだわってローテが組まれいたのが印象的です。古馬になってから2023年と2024年は二年連続札幌記念に使われていますが、いずれも結果が残せなかった(とはいえ2023年の11着は道悪が祟った格好)のも、2000mを得意としていた全兄アルアインとくっきり違いが出ていて血統の奥深さを感じさせる一頭でした。
思い出のレースは毎日杯で本命にして的中したあとの、ダービーで切ってしまった時のレース振り。この年のダービーは直線の瞬発力勝負となった展開で父ディープインパクトを彷彿とさせる末脚の切れを発揮、皐月賞快勝で同世代に負ける姿が想像できないと思っていたエフフォーリアをわずかに下しての勝利が思い出深いものがあります。
ジャスティンミラノ
デビューから二戦目で共同通信杯を制し、そのまま三連勝で皐月賞を制したジャスティンミラノは、皐月賞で記録した1:57.1秒のレコードタイムが印象的な一頭でした。次のダービーではダノンデサイルに遅れを取って二着に終わりましたが、惜しまれたのはその後のケガで引退となったこと。全四戦で現役生活を終え種牡馬となることが発表されました。
同世代の中でジャスティンミラノが格別に評価されているのは、やっぱりその四戦の全てがハイレベルなレースだったことじゃないかと思います。
そもそも二歳新馬で激突した二着馬ヘデントールはその後未勝利戦と1勝クラスを圧勝し、古馬相手の自己条件でも二連勝、菊花賞は人気の一角となり二馬身半差付けられたものの菊花賞二着に好走を見せています。デビュー戦からしてヘデントールのようなポテンシャルのある馬を相手に一馬身以上の差を付けて勝利しているのがこのジャスティンミラノ。
共同通信杯でも既に三連勝で朝日杯を制して二歳王者となっていたジャンタルマンタル相手に横綱相撲のようなレース運びで一馬身半差を付けての快勝でした。
皐月賞も後のダービー馬ダノンデサイルこそスタート直前に競走除外となりましたが、弥生賞勝ちコスモキュランダや共同通信杯で競い合ったジャンタルマンタル、さらに後の菊花賞馬となるアーバンシックを従えて勝ち切っています。世代のトップクラスが皐月賞の段階で顔を揃えて集っていたことを考えるとジャスティンミラノの皐月賞レコードで快勝というのはかなり評価して良いように思えます。クラシックで掲示板だったレガレイラが年末の有馬記念を勝利してますし、ダービー馬ダノンデサイルはその有馬記念で逃げを打って三着と世代を代表する走りを見せました。
またキズナ産駒のこれまでのイメージはディープボンドかソングラインでしたが、ジャスティンミラノはどちらのイメージとも被る印象がなく、キズナ産駒の新しい顔を見せてくれた産駒のように思います。ディープボンドからキズナへと代を経た種牡馬として次の世代にどんな産駒を送り出してくれるか楽しみです。
思い出のレースはやっぱり皐月賞、ジャンタルマンタルを本命にしたレースでジャスティンミラノは対抗でしたが、まさか弥生賞勝ちコスモキュランダを引き連れてジャンタルマンタルを差し切って勝利とは思っていませんでした。強い勝ちっぷりは強烈な印象に残っています。
ディープボンド
GI未勝利の現役賞金王だったディープボンドが2024年有馬記念をラストランとして引退しました。引退後は京都競馬場で誘導馬になるそうです。
コントレイル世代の重賞馬が七歳の有馬記念まで走り切った全31戦は海外重賞一勝を含む重賞四勝に終わりましたが、GI二着は2021年天皇賞(春)を始めとして、2021年有馬記念、2022年と2023年天皇賞(春)と、三年連続天皇賞(春)二着が光った成績でした。
とはいえ悲願だったGI制覇には手が届かなかったのは残念な一方で、なんとなくディープボンドらしいといえばらしい感じもします。
一番思い出に残っているのは2021年有馬記念、エフフォーリアに負けてしまったのですが、凱旋門賞帰りで挑んだ一戦で、同じ凱旋門賞帰りのクロノジェネシスと一緒にエフフォーリアを追撃した姿はこの馬の強さを感じた一戦になりました。斤量57キロの古馬牡馬で唯一勝負に絡んできましたからね。