SpecialなWeekを目指す競馬日記

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競馬雑学:白馬伝説は既に始まっている?

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日は白毛馬の活躍についての小話。なんとなく思っていたのですが調べてやっぱりそうかと思ったことを。
ちなみにタイトルは、かつて川崎競馬に所属していたハクバノデンセツとは関係ありません。

一般論:白毛は勝てない=活躍しない

白毛馬は誕生する存在自体が希少、母数が少ないことから毛色の中でも活躍馬が非常に少ないことになります。
そして活躍馬が少ないということは繁殖に上がる馬も少ないということで、ただでさえ少ないうえに繁殖に上がれる馬が少ないことから、遺伝による白毛馬の誕生も少なくて、ほとんどが突然変異で白毛馬が誕生するケースだったように記憶しています。

白毛馬は珍しい毛色であることから母数となる産駒数が少ないがゆえに、活躍馬もそれほどいませんでした。
白毛馬が初の重賞制覇を達成したのは、つい最近、去年レパードSを制覇したハヤヤッコが初めてで、それまでは重賞どころかオープンクラスに昇級するのも珍しい存在でした。
ただこのハヤヤッコの重賞初制覇はあくまでJRAの重賞初制覇であり、地方までを含めると交流重賞(JpnⅡ)の関東オークスを制覇したユキチャンが初めての重賞馬になります。ユキチャンはその後、クイーン賞(JpnⅢ)やTCK女王盃(JpnⅢ)も勝利し重賞三勝で引退し繁殖に上がっています。ユキチャンは他にも白毛馬としては初めて重賞(2008年のフローラS)に出走したりGI(2008年秋華賞)に出走したりと、白毛馬のパイオニア的な存在で、非常に人気のある白毛馬でした。

ユキチャン以来、久々にハヤヤッコという白毛馬が2019年に活躍をみせていた矢先、2020年の2歳馬にいままでにない白毛馬がデビューします。

ソダシが白毛馬初の重賞二連勝。

その名はソダシ、新馬戦を勝利すると二戦目の札幌2歳Sを見事な2歳コースレコードで重賞初制覇。
この勝利は白毛馬によるJRA芝の重賞初制覇となり、史上初の快挙でした。
ユキチャンが達成した白毛馬による重賞初制覇は地方との交流重賞でしたのでダートのレースでしたし、ハヤヤッコが達成したJRA重賞初制覇も日本では主流とはいえないダートのレパードSでした。
2歳戦とはいえ、札幌2歳Sという芝のレースを勝ち切ったソダシ。
クロフネ産駒ということでダート色が強い印象でしたが、札幌2歳Sをレコードで勝利する姿は、芝でも十分やれることを示しているようでした。クロフネも圧倒的なスピード能力と完成度でNHKマイルCを制覇しています。

そしてその次走、アルテミスS。

東京コースにコース替わり、しかし懐疑的なファンはいなかったのか一番人気に推されたソダシは、直線に入って力強く抜け出すと後続を完封し、最後は外から一気に差してきたククナの追撃も一馬身以上の差を付けて快勝でした。
これでJRAの芝の重賞を二勝目、もちろん白毛馬としては初のことです。

ちなみに、白毛馬で芝の新馬戦勝利もソダシが史上初の快挙、どんどん芝のレースで白毛馬初の快挙を達成しているソダシ。
なんだかアルテミスSを制覇した時点で暮れの阪神JFが見えてきます。これこそ、史上初の白毛馬による中央競馬GI初制覇までが見えてきた瞬間でした。

実は二週連続、白毛馬のオープンクラス勝利

先週のことですが、リステッド競走のブラジルCでは二番人気に推されたハヤヤッコがレパードS以来一年以上振りの勝利を収めていました。
ハヤヤッコはレパードS以降、二着まではあるものの勝利はありませんでした。三着とはいえ夏のBSN賞も勝ち馬と0.1秒差の三着で結構惜しいレース振りだったのですが、東京ダート2100mという初距離で見事に後ろから差しきって快勝、二着に二馬身差の勝利でした。

思えば、前週に白毛馬初のJRA重賞制覇を達成したハヤヤッコが勝利していたことを考えると、ソダシの芝の重賞二勝目というのもなんだか縁のような後押しがあったようにも思えてきます。

そして、ハヤヤッコの次走はチャンピオンズCを予定しているそうです。

白毛馬旋風、史上初が連発ですが、そもそもJRA重賞初制覇を達成したハヤヤッコが、ソダシに先んじて中央競馬GI初制覇を達成してしまうかも、なんて思えてきます。

二頭の白毛馬は遡ればシラユキヒメ

ソダシの母はブチコ、二連勝のあとチューリップ賞に出走(結果は14着)したり、ユニコーンSに出走して果敢に逃げて五着と掲示板に載ったりと活躍しました。
雑誌や新聞を見てると白毛馬が活躍するのは珍しいためか、結構記事になっていることが多いのですが、ブチコや先に出てきたユキチャン、さらにハヤヤッコの母マシュマロ、他にもクロフネ産駒のホワイトベッセルなんかも有名です。これらはみんな白毛馬、ある一頭の白毛馬から誕生しています。

その名はシラユキヒメ。
96年生まれのサンデーサイレンス産駒、その当時はサンデーサイレンスというだけで血統からもてはやされた時代でした。レース未出走でも血統を評価されて種牡馬になったエイシンサンディのような産駒も居るくらいです。

そんなシラユキヒメ自体は遺伝(血統から考えて)で白毛になる要素はなく、突然変異で白毛馬として誕生したものです。つまりシラユキヒメから白毛の伝説が始まっていると考えてよさそうです。
よくよく調べて見ると、現在活躍中の白毛馬のほとんどはシラユキヒメの産駒かあるいは孫だということが分りました。
上述のハヤヤッコはマシュマロ産駒で孫ですし、準オープンクラスで先々週も現級二着と堅実に走っているシロニイはシラユキヒメの産駒、そしてソダシはブチコの産駒なのでシラユキヒメの孫に当たります。
シラユキヒメ産駒として重賞初制覇を達成したユキチャンの産駒には現在二勝を挙げている現役馬ハウナニや2018年デビュー戦を勝利したマイヨブランなどが勝利を挙げており、現在も条件戦で活躍をしています。去年デビューのシラユキヒメ産駒はブッチーニ、ラストクロップですがデビューの未勝利戦ダート1400mを勝利して現在1勝クラス。

他に今年小倉の新馬戦を勝利したダノンハーロックという白毛の牡馬もいます。母はブラマンジェ、これもシラユキヒメの孫に当たります。

96年生まれのシラユキヒメ自体は結局未勝利のままターフを去ることになりましたが、その血は受継がれ、一頭で白毛馬の系統を確立してしまうのではないかというくらい、活力に溢れているように見えます。

白毛馬の史上初、これも期待。

こうして白毛馬が例年より活躍しているように見える2020年。
シラユキヒメの孫となるハヤヤッコとソダシの活躍で白毛馬史上初GI制覇も「もしかしたら…」と思わせてくれるものがあります。

今年は何度も史上初の快挙を見てきたのもあって、2020年のキーワードは「史上初」なのかもしれない、なんて思えてきました。