SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

競馬雑学:クロフネが老衰で世を去る

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今日はクロフネの訃報に触れて思ったこととか思い出とかを思うままに書いてみようと思います。

ダービー開放元年に黒船襲来

クロフネという存在を知ったのは友人との会話。

「今年のダービーはアツいよ。いよいよ外国産馬にダービーが開放されるわけよ。」

なんて話から始まったクラシック展望。

「外国産馬開放元年のダービーで、クロフネ襲来、なんてかなり出来た話じゃない?」

江戸時代、鎖国から開国へ踏み出す要因になった黒船襲来とオーバーラップする芦毛の「クロフネ」という名の有力外国産馬。これはかなり出来すぎのような気がしていました。

しかし時代はクロフネを後押しするかのような活躍を見せます。
年明け初戦の毎日杯を二着に五馬身差(タイム差0.9秒差)の圧勝、二着のコイントスは三着馬ダイタクバートラムにさらに五馬身差を付けていたことを考えると、かなりの圧勝だったことが窺えます。
そして続くNHKマイルCも逃げ切る勢いの二着馬を後ろから一気に上がり三ハロンメンバー中最速の脚を繰り出して半馬身差し切っての勝利、二着の逃げ馬が三着に三馬身差を付けて逃げ切り体勢だっただけに、この二戦の強烈なインパクトから、「ダービー開放元年に黒船襲来」はかなり現実味を帯びていました。

クロフネの周囲=最強世代

と、いうのも、この年の有力馬の頓挫が大きかったのもあります。

個人的には前年にダービーをアグネスフライトで感動の初制覇を達成した名手河内JKが、この年でもアグネスタキオンとアグネスゴールドという圧倒的な力を示した二頭をお手馬にしていました。この二頭が世代の中心にいると思っていた年でした。
アグネスタキオンは新馬戦から重賞連勝を含む無敗の三戦三勝で皐月賞を迎えていましたし、アグネスゴールドはデビューから重賞二連勝を含む四戦四勝、遜色付けがたい有力馬二頭。
名手はどっちを選ぶのか?とか選ばれなかった有力馬どっちかに誰が騎乗するのかなんてところが中心だったと思います。結局皐月賞では河内JKはアグネスフライトを選択、アグネスゴールドは武豊JKに決まったという話を記事で読んだ記憶があります。

しかもアグネスタキオンはラジオたんぱ杯3歳S(当時のレース名)でクロフネに0.6秒差で完勝しています。二着にはあのジャングルポケット、クロフネは三着に終わっていました。

しかし、皐月賞前にアグネスゴールドは故障により戦線離脱、皐月賞後にアグネスタキオンは屈腱炎を発症しダービー出走を断念。

そんな状況でジャングルポケットが一番人気に推された日本ダービー、クロフネは二番人気に推されていました。
このときはダービーレグノという馬を本命にしていたので、我ながら見る目がないとしか言い様がないのですが、府中のトニービン産駒を地で行くジャングルポケットの勝利、クロフネは五着に終わり、「ダービー開放元年に黒船襲来」は現実のものとなったのですが結果には結びつかず終わりました。

しかしダートで伝説を

秋初戦に阪神2000mという毎日杯と同じ舞台の神戸新聞杯に出走するも三着に敗退。
実際「○外だし、ここまでか…。」と思っていました。我ながら浅はかでした。

これでダートに目標を切替えたクロフネは古馬と初対戦となる武蔵野Sに出走します。

ここで古馬相手にいきなり二着に九馬身差の圧勝というド派手なパフォーマンスを見せたクロフネ。しかも空いては決して弱くなく、前年のNHKマイルC勝ちなど実績のあるイーグルカフェを二着に従えての勝利。

続くジャパンカップダートでも二着に七馬身差(タイム差1.1秒差)を付けての圧勝劇。
しかも二着は前年のジャパンカップダートの覇者ウイングアロー、四着には同年のフェブラリーSの覇者ノボトゥルーだったこともあって、決してレベルは低くなく、それでもこの二戦で圧倒的な力を見せつけたクロフネ。

この二戦の圧勝劇で、「伝説の序章ってやつだな。」と仲間内では話題になっていました。しかしその後屈腱炎を発症、最終的にジャパンカップダートの圧勝を最後に引退となったクロフネ。

伝説はファンのタラレバだけのものになってしまいました。
そのとき、「海外でどんなレースをするのか観たかったなぁ」と正直思っていました。

有力な産駒は牝馬が多かった

個人的には芝もダートも走る種牡馬としてかなり活躍馬を出した印象があります。ホエールキャプチャなんて結構好きな馬でよく狙っていました。
仲間内でやっていたPOGでフサイチリシャールを取られて朝日杯で勝たれたのはホロ苦い思い出の一つです。

しかし、活躍馬は牝馬が多いイメージ。前出のホエールキャプチャやカレンチャン、スリープレスナイト、最近ではついこの間引退したアエロリットとか、現役で2021年クラシックを狙う位置にいるソダシ、など。みんな牝馬です。

後継種牡馬が…?

去年種牡馬引退となったクロフネ。

後継種牡馬はフサイチリシャール?と思ったら、フサイチリシャールは2014年供用停止らしい。そして残った種牡馬はテイエムジンソクだけという状況のようです。うーん。残念ですね。

でもスペシャルウィークもそうなんですが、有力な繁殖牝馬の母父として残るという可能性は高くて、前述の名牝たちから新たな有力馬が生まれてくる可能性はあります。特にアエロリット産駒なんてなんかいかにも有力馬を輩出しそうじゃないかと。

その怪物振りを見せつけたのは一瞬だったけど、確実にそのときのファンの脳裏に残っているクロフネ。
確か2019年には既に種付けをしておらず2020年に種牡馬引退のため、2019年生まれとなる2021年デビューの馬たちがラストクロップになります。

そういう意味では、2018年生まれという最後の世代に近い産駒に、白毛馬史上初のGI制覇という活躍馬ソダシを送り出してくるあたり、現役時代にも派手な活躍を見せたクロフネらしいといえばらしい、そんな華のある馬でした。