SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

競馬雑学:蛯名正義騎手引退

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日はトップ騎手蛯名正義JKの引退で思い出の騎乗馬を書いてみようと思います。

思い出のGI勝利=全て的中できていない

蛯名JKといえばGIでの騎乗で思いがけず勝ち切るシーンが印象に残っています。
ただし、その全てで的中できていない、というのはご愛敬。
通常であれば初GI制覇のバブルガムフェローとかアパパネでの牝馬三冠などを挙げる人が多いような気がしますが、いまでも記憶に残っているのは以下の三頭。

マツリダゴッホ

中山コースはマツリダゴッホの庭と言われていた中山巧者。その高い中山コース適性で有馬記念を制覇したサンデーサイレンス産駒最後のGI馬。
サンデーサイレンスのラストクロップとなる世代で、母の半弟がナリタトップロードというナリタトップロードのファンとしても特別な一頭です。
GIは有馬記念の一勝だけなのですが、その有馬記念が当時では超豪華メンバー、ダイワスカーレットとウオッカという二大三歳牝馬に加えて、ダイワスカーレットの兄ダイワメジャーやら、二冠馬メイショウサムソンに加え、その同期のドリームパスポート、菊花賞馬デルタブルースといったGI馬やGI二着馬が多数出走していました。
そんな有馬記念を9番人気の低評価を覆すような走りで二着ダイワスカーレット相手に一馬身1/4の差を付けて快勝、その年の有馬記念を制覇しました。
オールカマー三連覇のうち二勝が蛯名JKの手綱、日経賞も含めて中山巧者を存分に発揮した現役時代でした。

マリアライト

ドゥラメンテとキタサンブラックが出走した宝塚記念を、人気二頭を従えて勝利した女傑。
前年から手綱を取っていた蛯名JKを背に、前年のエリザベス女王杯以来二勝目のGI制覇を達成しました。

予想:阪神11R-宝塚記念 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

振り返り:阪神11R-宝塚記念 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

スイープトウショウ以来、久々の牝馬の一発となった2016年宝塚記念。
しかしこの後、2019年&2020年と連続で牝馬が優勝するという、牝馬の時代が到来します。

ディーマジェスティ

8枠、蛯名JK、人気薄というGIでよくあるパターンで皐月賞を勝利した実力馬。古馬になってからケガであまり実力を発揮できずに引退してしまいましたが、ディープインパクト産駒らしい切れ味で後にGIを勝利するマカヒキやサトノダイヤモンドを従えて皐月賞を制覇。
有力馬で蛯名JKをダービー出走させてくれた最後の一頭でもあります。(結果はハナ差接戦の二頭の半馬身後ろで三着)
なんとなくですけど、蛯名JK騎乗馬がGI勝利するときって、蛯名JK騎乗馬一頭だけがなんか他馬と違った伸びを見せるんですよね。マリアライトしかり、このディーマジェスティしかり。
菊花賞四着後はケガに悩まされてあまり実力は発揮できませんでしたが、後期の蛯名JKのキャリアを彩った実力馬でした。

印象に残る二着

2013年のヴィクトリアマイルでホエールキャプチャ騎乗の二着

クラシックで応援していたホエールキャプチャなので結構印象に残っています。
ホエールキャプチャといえばクラシックのパートナー池添JKやヴィクトリアマイルで念願のGI初制覇を飾った横山(典)JKの印象がありますが、そのヴィクトリアマイル勝利後に二桁着順を続けてしまい、もう燃え尽きた?と思われていた翌年のヴィクトリアマイルは12番人気の低評価。その低評価を覆しての復活走、勝ったヴィルシーナとハナ差の二着で復活をアピールしました。
その後も引退まで蛯名JKの手綱で重賞二勝を挙げ、30戦を走り切って現役を終えました。
個人的にホエールキャプチャを復活させてくれたのは蛯名JKの印象が強いです。

エフティマイアのクラシック連続二着

この連続二着はかなり驚きの二着、桜花賞は17頭立てで15番人気の低評価、オークスは18頭立て13番人気といずれも二桁人気の低評価、それを跳ね返しての二着。
この二戦は上位人気三頭がいずれも着外(五着以下)に沈んだレースでどちらも大荒れの決着でした。特に荒れたのは桜花賞、12番人気レジネッタ勝利に三着は5番人気ソーマジックでした。これクビ差四着の16番人気のハートオブクィーンが三着に入っていたらとんでもない配当になっていたんだろうなぁと当時思っていました。
続くオークスでも勝ったトールポピーとアタマ差の二着、桜花賞馬レジネッタを一馬身半差抑えての二着でした。
阪神JF勝利のトールポピーはきっちり桜花賞から巻き返してきたわけですが、桜花賞馬レジネッタを抑えて連続二着はスゴイなぁと。

1998年毎日王冠でエルコンドルパサーの二着

空前の盛り上がりとなったこの年の毎日王冠。いまでいう三歳世代のグラスワンダーとエルコンドルパサーという世代トップの外国産馬二頭が、覚醒した最強の逃げ馬サイレンススズカと激突、と言う構図。
主戦の的場(均)JKはグラスワンダーを選択、この毎日王冠からエルコンドルパサーの主戦には蛯名JKが就くことになりました。
結果はサイレンススズカの圧勝でしたがエルコンドルパサーは二着を確保、正直この時期のサイレンススズカは並の馬では暴走と言われても仕方ない前半のペースからお終いの脚もきっちりまとめてくる完全体。このレースでも前半1000m57.7秒とハイペースを刻みながら、上がり三ハロンは35.1秒と上がり最速のエルコンドルパサー35.0秒と変わらない脚でレースを締めています。
個人的にはサイレンススズカを負かしに行ったグラスワンダー、二着でもいいから自分の競馬に徹したエルコンドルパサー、という印象が残ったレースでしたが、エルコンドルパサーのその後の走りから蛯名JKの手腕は評価を受けていくことになります。

1995年ステージチャンプの二着

この辺は若いときのご愛敬のようなものもあります。
六歳(当時の馬齢)を迎えたステージチャンプは日経賞二着から天皇賞(春)に出走。
ライスシャワーの復活走とも言える天皇賞(春)でしたが、外から強烈な追込み一気でライスシャワーをハナ差まで追い詰めて二着に入線します。
このとき鞍上の蛯名JKは勝利を確信しガッツポーズをレース後に見せましたが、結果は残念ながらハナ差届かずの二着、まるでスペシャルウィーク引退レースの有馬記念で同期の武豊JKが見せた(早まった)ウイニングランのようです。若かったですね。

いろいろな思い出のある騎手

蛯名JKはここ一番で関東馬をGI勝利に導く勝負強さを発揮した鞍上でした。関西馬でのGI勝利は朝日杯のドリームジャーニーだけ。後のGI勝利は全て関東馬だったことからも、美浦の厩舎にとって頼りになる存在だったように感じます。

引退後には蛯名正義厩舎開業を目指して技術調教師からスタートすることになりますが、是非とも現役時代に達成出来なかった「ダービー優勝」と「小倉の重賞制覇(で全十場重賞制覇)」を達成して欲しいと願っています。