SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

競馬雑学:カワカミプリンセスとスティンガーの訃報に触れる

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日は繁殖を引退していたGI牝馬二頭カワカミプリンセスとスティンガーの訃報を聞いて思い出なんかを振り返ってみようと思います。

カワカミプリンセス

キングヘイロー産駒ではローレルゲレイロとならんで代表産駒とも言える存在のカワカミプリンセス、牝馬クラシック二冠を戴冠し父の名を上げた産駒となりました。スイートピーSからオークスを制覇するという珍しいローテだったこともあり、オークスではまったく無警戒だったのを覚えています。アサヒライジングと同世代なのもあって馬券的には縁のない馬でした。桜花賞上位二頭となるキストゥヘヴンとアドマイヤキッスが揃って複勝圏外となったこともあり荒れた結果になったのを覚えています。

というのもカワカミプリンセスは時の主流の血統ではなかったこともあり、安価な馬のサクセスストーリーのようなものが語られていたのもあって、無敗でのオークス制覇もなんかピンとこなかったのはありました。

ですが、その強さが本物だと思ったのは秋にぶっつけで秋華賞を勝ち切るシーンを目の当たりにしてから。二冠制覇を達成するとは思っていませんでした。アサヒライジング今度こその思いで挑んだ秋華賞で上がり最速の脚を繰り出したカワカミプリンセスは半馬身差アサヒライジングを差し切って勝利、牝馬クラシック二冠馬に輝きました。

カワカミプリンセスの強さを目の当たりにした二冠の次走は古馬と初対戦となるエリザベス女王杯、ここでも古馬牝馬のトップとなるスイープトウショウやのディアデラノビアなどを差し置いて一番人気。
そして最後は同世代のフサイチパンドラとの追い比べとなり、見事差し切ってゴールイン、また勝った、と思った時、GIでは珍しい審議でカワカミプリンセスは12着に降着、二着入線のフサイチパンドラが初GI制覇となりました。

これで歯車が狂ってしまったのか、翌年はヴィクトリアマイルに一番人気で出走も10着大敗、2008年にはエリザベス女王杯二着があるものの古馬になってから勝ち切れず、17戦で引退となりました。

ディープインパクトの快進撃で競馬が注目された2006年の牝馬クラシックに君臨した女王、産駒に大物と呼べる産駒はいなかったけどキングヘイローの良血振りをレースで魅せてくれた一頭だったと思います。

スティンガー

スティンガーはどちらかというとサイレントハピネスの妹という印象が最初は強かった一頭でした。後にサイレントハピネスのほうがスティンガーの姉という印象に塗り変わりますが。
サイレントハピネスは数多くの活躍馬を送り出したサンデーサイレンス初年度産駒で、ローズSを豪快に差し切って勝利した姿が記憶に残っている一頭です。全妹ということに加え姉と同じ名門藤沢(和)厩舎所属で、仲間内では注目されていた一頭でした。しかも違ってデビュー戦から鞍上岡部JKで期待値高いなと思ったものです。

その期待に応えるようにデビュー戦から二連勝、しかし赤松賞の勝利で暮れの重賞か年明け桜花賞トライアルの出走かなと思っていたローテーションは、連闘で阪神JF出走という意外な出走で想定を裏切られます。
さすがに連闘でGI制覇はね、と思ったそのとき、ファンタジーS勝ち馬プリモディーネ(後の桜花賞馬)が回避していたこともあって、二着だったゴッドインチーフを本命にした記憶があります。

しかし結果は上がり三ハロンメンバー中最速の脚を繰り出してまとめて差し切ったスティンガーが、同じ位置取りから差してきた二着エイシンレマーズに二馬身差の圧勝、四コーナーではこの二頭とそう変わらない位置取りだったゴッドインチーフは決め手の差が出てエイシンレマーズから三馬身差の三着に終わっています。このときは後のオークス馬ウメノファイバーも出走しておりなかなかのレースレベルだったような記憶があります。改めて「状態が良くなきゃ使わない」という名門厩舎のポリシーを学んだ一戦となりました。出てくるからには勝負になるんだ、と実感したものです。

しかし、翌年は現代ではよく見る(当時はかなり珍しい)桜花賞ぶっつけというローテで前哨戦をスキップして挑んだクラシック、ここで当然のような一番人気に推されたものの、出遅れが響いてか12着と大敗してしまいます。ちなみに本命にしたのはゴッドインチーフ四着、うーん。
しかし桜花賞の次走は現在のフローラSに該当する四歳牝特、ここで桜花賞二着馬フサイチエアデールを直線であっさりクビ差かわしてゴール、改めて強さを見せました。
やっぱりトライアル使った方が良かったんじゃないかという感じがしたレース内容に、一叩きした上積みの重要性というものを垣間見た結果だったと思います。

しかしこの後のスティンガーは、オークスも四着、秋に初戦毎日王冠も四着、果敢に天皇賞秋に挑戦して四着、ジャパンカップは14着と歯車が狂ってしまいました。が三歳牝馬が挑んだ相手が強かったということもあると思っていました。

しかし、この後も古馬になってからはGI安田記念四着などあと一歩で手が届かず、京王杯SC二連覇が目立つくらいで燃え尽きた感が多少見え隠れしていました。

しかし引退レースとなった高松宮記念、スティンガーの末脚が再び輝きます。

スタートが悪くてゲートは五分で出たのに出負け気味に最後方に下がってしまったスティンガー、対照的に好スタートから飛ばして行く逃げ馬ショウナンカンプや二番手でショウナンカンプを虎視眈々と狙うアドマイヤコジーンの二頭が行った行ったで勝ち切るレースだった展開でしたが、スティンガーが上がり三ハロンメンバー中最速の脚を繰り出して最後方から直線だけで一気の競馬、15頭をまとめてかわして外から一気に二着アドマイヤコジーンとクビ差となる三着入線、改めてスティンガーの強さを思い知った結果となりました。

このレース、1200mという距離で行った行ったの決着だけにあれよあれよという間にレースが終わってしまった感じがあります。そこで見た目にインパクトの強い前残りの中を外差しで一気に前に迫るスティンガーの末脚が際立って強く見えました。しかもそれが引退レース。

東京1400mの京王杯SC連覇があるように、東京コースが得意だったのかなぁという印象が残るスティンガーです。ヴィクトリアマイルが新設されるのはスティンガーの引退から四年後(2006年)となり、スティンガーの時代にヴィクトリアマイルがあったら実はスティンガーの勲章はもっと増えていたのかなぁと想像することがあります。