SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

思い出話:個人的に記憶に残るスペシャルウィークの弥生賞

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日は今週末に開催される皐月賞トライアル、弥生賞の思い出話。
個人的に思い出の一ページを彩っている弥生賞はスペシャルウィークとセイウンスカイとキングヘイローという世代のトップ3が集い、本番さながらのレースとなりました。

視点はもちろんスペシャルウィーク贔屓です。

実はその頃は日曜の昼間が仕事になることが多かったため、リアルタイムでは見れてなかったのですが、この弥生賞もそんなレースでした。楽しみにして夜に社員寮に帰宅後、録画したレースを見るを楽しみにしていました。

メンバーが揃った弥生賞

この世代は前年の朝日杯で外国産馬が上位を独占、勝ったのはレコード勝利のグラスワンダーでしたが、クラシックに外国産馬が出走できない時代、クラシック出走可能な内国産有力馬の出現がここまでではまだ見えていないような状況でした。

そんな世代の争いの一つ、その日の弥生賞はかなりメンバーが揃っていました。

既にレース前から素質を高く評価されていたスペシャルウィークとセイウンスカイとキングヘイローが三強と呼ばれ激突するという本番さながらの弥生賞でした。
この時のセイウンスカイは徳吉(孝士)騎手が鞍上、次走から横山典JKに乗り替わるのですが、この時は新馬、ジュニアCと連勝して徳吉JKで挑むトライアルレースとなっていました。
キングヘイローは若手時代の福永JKです。当時キングヘイローは三連勝で重賞制覇、ラジオたんぱ杯3歳S(当時のレース名)では二着惜敗も実力・実績ともに他の二頭より上位に見られていました。当然の一番人気に推されたキングヘイロー。
この二頭と人気を争っていたのがサンデーサイレンス産駒スペシャルウィーク、調整が狂った500万下で武幸四郎JKの穴馬アサヒクリークに惜敗も続くきさらぎ賞を圧勝し、評判はうなぎ登りのスペシャルウィークは二番人気に推されていました。
このほかにも無敗の二連勝でここ出走の評判のサンデーサイレンス産駒ディヴァインライトや鞍上名手岡部JKを配して勝負のマイホームタウン、ナリタブライアン全弟の評判馬ビワタケヒデといったそうそうたるメンバーが出走してきた豪華メンバーの弥生賞になっていました。

スタートを迎える

こうして本番並みの盛り上がりを見せた弥生賞、大外枠のスペシャルウィークが一番最後にゲート入りをした直後からレースがスタートします。

揃ったスタート、中山のスタンド前を各馬横一線で駆け抜けていきます。
先頭に立ったのは最内枠のキーゴールド、先行力に富む馬ですので鞍上南井JKが前に出てハナを切ろうとします。しかし一コーナーに差し掛かる時には、前走ジュニアCで見せたテンの速さを活かしてセイウンスカイがキーゴールドを抑えてハナに立ちます。
結局スタート直後に先頭に出たキーゴールドはセイウンスカイに譲る格好になりました。

先頭はセイウンスカイ、軽快に飛ばして三馬身程度のリードを取ります。その後ろにはキーゴールドやビワタケヒデなど四頭を間に置いて、先行するキングヘイロー。このころのキングヘイローは古馬になってから印象が強い末脚勝負というわけではなく割と前目で競馬する自在性があるタイプでした。
その直後にスペシャルウィーク、大外枠から無理せず外目追走、インには二頭居て外目外目でしたが、馬の力を信じた武豊JKはじっくりキングヘイローの直後から競馬を進めます。
一コーナーあたりでは後方から四番手だったスペシャルウィークでしたが、逃げるセイウンスカイなどを意識してかこの時点で中団待機くらいまでに押し上げています。

レースはセイウンスカイがレースを引っ張って割と縦長の展開になっていますが、まだまだスペシャルウィークの射程圏内、このあたりは安心してみています。

こうしてレースは三コーナーから四コーナーに差し掛かります。

軽快に逃げてレースを引っ張るセイウンスカイ、徐々にキングヘイローとスペシャルウィークはその差を詰めるべく前に進出してきます。
三番手集団に横四頭ほどが並んでいる内側にキングヘイローが追走し、大外にスペシャルウィークが追走しています。かなり外を回るロスに見えますが、馬の力を信じた名手にはそんなロスはあまり関係ないように見えました。

しかし、軽快に逃げるセイウンスカイ、ジュニアCの再現を狙って脚色は衰えることなく、競っていたもう一頭の馬を四コーナーで競り落として最後の直線へ向かいます。

レースは最後の直線へ

逃げるセイウンスカイが先頭、リードが四馬身と後ろを突き放して完全に逃げ込み体勢となります。セイウンスカイにピッタリくっついていた二番手の馬が置いてかれたような恰好に。
そして大外追走で直線に向かったスペシャルウィーク、この時点でかなり絶望的な位置に見えます。キングヘイローより前に出たものの、セイウンスカイとの差はかなり拡がってしまいました。
二番手との差をさらに広げるセイウンスカイ、その二番手の馬をかわしてスペシャルウィークが単独二番手に浮上してきます。
しかしその差は四馬身以上に拡がっているように見えました。セイウンスカイがマイペースの逃げで一気にゴールに向けてラストスパート。その脚色は衰えていないように見えました。
そして、スペシャルウィークより仕掛けが遅かった(たぶん馬群に入っていたからだと思う)キングヘイローは四番手からまだ抜け出していない状況。

セイウンスカイが先頭、スペシャルウィークのファンにとってこれは絶望的なリードに見えました。
しかし、そんな予想をさらに上回る脚がスペシャルウィークに残されていましたがこの時はまだそれに気づいていません。

残り200mのハロン棒を過ぎ、まだセイウンスカイのリードは三馬身、四馬身といったところがあります。

ダメか…、セイウンスカイのマイペースの逃げにしてやられた、一瞬そう思って逃げる葦毛の関東馬とスペシャルウィークの間にできた差を見ていたその時、鞍上の武豊JKのムチを入れるような動きが見えました。

残り100mでひっくり返す

セイウンスカイとの差が拡がった残り100mを切ったところ、武豊JKの手が動きます。
そのムチを入れる動作に合わせて、スペシャルウィークの末脚が確実にセイウンスカイとの差を詰めているのが見て取れました。その間わずか1秒・2秒というところです。この1秒・2秒、凡人の私には「え?…え?」と状況を把握するのに使ってしまい、すっかりレースで盛り上がるのを忘れている自分が居ました。

「まさか、この差をひっくり返せない」

この差をひっくり返したのがスペシャルウィーク、実況の言葉を借りれば「三馬身、二馬身、一馬身、体半分、並んだ、変わった、スペシャルウィーク、ゴールイン」
圧倒的な末脚の破壊力を見せつけて、インで必死にムチを入れて逃げ切りをはかるセイウンスカイを最後は持ったままであっさりかわしてゴールイン。

この末脚にはしびれました。
そしてスペシャルウィークがこの世代のクラシック最有力候補となった瞬間を迎えました。

そして、皐月賞での圧勝を確信した弥生賞の勝利でしたが、結果は…。
うーん。
皐月賞の週に内側の仮柵が外されてはかったようにグリーンベルトが出現した皐月賞。鞍上も横山典JKに乗り替わったセイウンスカイが軽快にグリーンベルトの上を逃げて逃げて、逃げ切り勝ちを収めます。

個人的には(完全な個人の感想ですが)、本番の皐月賞よりもこの弥生賞の方が本番らしい結果になったような印象がある98年弥生賞でした。