ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は宝塚記念開催週ということで、最近の宝塚記念のレース傾向などを。
瞬発力と消耗戦の対応力
今回のメインとなるのがここ。
宝塚記念のレース内容が割と瞬発力勝負というよりは消耗戦寄りのレース傾向が見て取れるなぁと思う最近の結果。
梅雨時期で馬場が傷みやすいこともあって、スローからの瞬発力勝負という競馬にはなかなかならないレース傾向が近年見て取れます。とはいえ、上がり最速の脚を使った馬が二年連続(しかも牝馬、リスグラシューとクロノジェネシス)で勝利しているものの、いずれも上がり三ハロンは35秒台~36秒台と上がりが掛かる傾向が見て取れます。馬場が悪くなりがちな梅雨時の消耗戦でお終いきっちり脚が使えるタイプが本命になるレースといえそうです。
2020年の勝ち馬クロノジェネシス
それまでクラシックでは桜花賞&オークス三着、秋に消耗戦の秋華賞を圧勝したクラシックホース。馬場も不問でレースの質がクロノジェネシスにはピッタリだった納得の勝利でした。
同じ牝馬ラッキーライラックも人気を集めていましたが残念ながら六着に敗退、スローからの追い比べとなったエリザベス女王杯を勝利したラッキーライラックにとってはレースの質が向かなかった印象があります。そもそも瞬発力勝負となった同年の大阪杯はクロノジェネシスとの競り合いをクビ差退けて勝利していることから、能力的には二頭は遜色ない存在でしたが、パンパンの良馬場での瞬発力勝負という大阪杯ではラッキーライラックに分があったものの、馬場が渋った消耗戦ではクロノジェネシスに軍配が上がったと考えることができそうです。
そして一番人気だったサートゥルナーリア。
前年の有馬記念(リスグラシューが勝利した)は消耗戦だった中を二着に好走しているのですが、ここでは四着と敗退。うーん。消耗戦は能力の絶対値でこなしたというだけで消耗戦向きじゃないと考えた方が良いのかも。
そう考えると、去年の二着馬キセキは馬場も重適正は鬼だし持続力に富む長くいい脚を使います。決め手勝負で取りこぼしているようなタイプで二年連続二着というのは宝塚記念ってキセキ向きの舞台になりがち、ということを表しているのではないかと。
三着のモズベッロも馬場が渋った消耗戦は得意な舞台。
そもそもこの年は直前に豪雨で馬場が渋っていたため渋った馬場に実績のあるクロノジェネシスにとって持ってこいな舞台だったのは勝因としてありそうです。あ、あとキセキが暴走して消耗戦になっていました。
2019年の勝ち馬リスグラシュー
実際にレースを観ていた人はなんとなく分るのですが、この年も馬場は渋った馬場といえそうな中での宝塚記念でした。良馬場発表なのですが馬場自体は緩い馬場となっており、ハナを切ったキセキの直後二番手を追走したリスグラシューが直線で勢いよく抜け出して三馬身差の圧勝でした。
ただ、キセキがレースを引っ張ったラップはなかなか緩まず、キセキ自身が上がり35.8秒でお終いの脚をまとめており正直他馬には追いつけない走りを見せていました。
そういう意味ではステイゴールド産駒のエタリオウなんていかにも走りそうな印象があったのですが、残念ながらイメージと違ったような感じで9着敗退。ここでバイオリズムが崩れてしまったようにサッパリと好走できなくなってしまいました。
2018年の勝ち馬ミッキーロケット
ミッキーロケットって渋った馬場はダメな印象だったのですが、この年の宝塚記念の稍重馬場の中を勝ち切って前年の日経新春杯以来の勝利を初のGI制覇で飾りました。
ただこの年はこの後の2019年&2020年と違ってGI初挑戦の馬がメンバー中六頭という時代の変わり目のような年で、二着に外国馬ワーザーが入線するなどちょっといつもと違う宝塚記念だったような印象があります。
六着に終わったサトノダイヤモンドが一番人気を背負ったのですが、ディープインパクト産駒の切れ味勝負のサトノダイヤモンドには向かない消耗戦の宝塚記念。サトノダイヤモンドが勝利した菊花賞もスローからの上がり勝負という展開でのレースということで、レースの質がサトノダイヤモンド向きではなかったといえそうな内容でした。
そして2021年
去年の勝ち馬クロノジェネシスが鞍上ルメールJKで出走予定。死角なしといえそうな一番人気に推されそうです。
ただ、いまだ無敗でGIを制覇したレイパパレや、カレンブーケドールなどの牝馬がクロノジェネシスに続く上位人気を独占しそう。しかし過去に宝塚記念で好走実績を持つモズベッロやキセキも出走馬になを連ねており、ヒモに面白い馬を狙ってみてもいいのかなと思う今年の宝塚記念です。
瞬発力勝負より消耗戦への適性、これがキーワードになりそうな宝塚記念。