ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日はパドック用語「うるさい」と「チャカチャカ」について
パドックで「うるさい」と言われる馬
パドックで「うるさい」と言われている馬、何も騒音をまき散らしているわけじゃありません。
ここでの「うるさい」というのは、「馬に落ち着きがない」という意味で使われます。
馬には気性があり、この気性が良い悪いでどれだけ自身の能力が発揮できるかがある程度変わってきます。気性難と呼ばれる馬は自身の実力を発揮できずにレースを終えることもあります。
気性にもいろいろあるのは以前<競馬雑学:気性難もいろいろある - SpecialなWeekを目指す競馬日記>にも話題にしましたが、この中で「うるさい」と言われる気性の馬は、主に"気性が荒い"タイプです。
首、というか頭を大きく上下に振ったり、イライラしたような仕草を見せているタイプ、この状態をパドックで見せている馬を「うるさい」と表現します。またうるさい馬というのは無駄な動きをすることも多くて他馬より発汗しがちな印象があります。汗がしたたり落ちるほどうるさい様子はマイナス要素です。
ただし、いつもうるさい馬がパドックで落ち着いている場合、これは逆に「元気がないんじゃないか?」と考えたほうがよく、いつもの状態にないことを知ることができます。
「チャカチャカ」する
通常パドックでは歩いている競走馬が、ちょっと跳ねるような、小走りしているような、そんな感じで周回している馬がいます。
明らかに"歩いていない"ので、一目見ればこれは分かりますが、この跳ねるようなor小走りしているような感じでパドックを周回している馬を「チャカチャカしている」または「チャカついている」と言います。
前述の「うるさい」という時と同様にイレ込み状態の一種です。無駄に体力を消耗しているという意味ではあまり良い状態とはいえないのは間違いないのですが、このチャカチャカする状態も「いつもチャカついている馬なら問題ない」状態といえます。
逆に、いつも落ち着いている馬がチャカチャカしているようなら、「いつもと違って状態面に不安がある」という判断をして良いと思います。
ただ、単純にうるさい状態と違って、チャカチャカしている時というのは走りたい気持ちが抑えられない状態と考えることもでき、単純にうるさい状態よりはチャカチャカしているほうが走る気持ちが前向きのような印象があります。
パドックで騎乗前と騎乗後に注目
パドックで「うるさい」ところを見せていたり、「チャカチャカ」していたりと、レースに向けて良くない状況かな?と考えてもいいのですが、それだけで予想を決定させるのはいささか早計です。
競馬は人馬一体となってレースを戦うこともあり、騎乗する人間を上にして一変する馬もいることから、騎乗前に落ち着きのない状態であっても、騎乗後に不思議と落ち着くことも多々あります。
競走馬のパドックの様子は、騎乗前と騎乗後で判断したほうが、より正確な判断ができると一般的に言われています。
パドックで鞍上が騎乗する前にうるさかったりチャカついていたりしていても、鞍上が騎乗しパドックから返し馬ですっかり落ち着いて、しっかりとレースに前向きになっている場合もあります。鞍上と意思の疎通が取れているかどうかが重要。
このように、返し馬までがワンセットで、状態の確認には必要なのですが、返し馬までしっかり見て判断していたら、時間が足りないよ、ということもあって、なかなか難しいところです。
全頭記憶・記録していられない
これ、難しい所が、予想の際にパドックの様子を(当日の限られた時間の中で)善し悪しを判断することができない、という点が難しい所です。中央競馬所属のオープンクラスの馬だけでもかなりの数いますし、一頭一頭個性が違うことで「この馬はこういうときは…」というのも覚えておくのが無理のある頭数です。
ここは割り切って「好きな馬だけは状態を覚えておく=好きな馬の買い時の判断材料にする」という覚え方が良いんじゃないかと思っています。好きな馬だからこそ、買い時を逃したくないですよね。