SpecialなWeekを目指す競馬日記

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競馬雑学:菅原(明)JKのGI初勝利をお祝いしたい

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日はファン目線で菅原(明)JKのGI初勝利をお祝い、と言いつつブローザホーンの話が多くなってしまった。

菅原(明)JKが宝塚記念制覇

以前に

競馬雑学:最近2019年デビュー騎手の活躍が気になる - SpecialなWeekを目指す競馬日記

でちょっと触れていましたが、昨年団野JKがGI初制覇で2019年デビュー騎手のGI制覇一番乗りを果たしましたが、それに続いたのが菅原(明)JKの宝塚記念のGI初制覇でした。

ブローザホーン騎乗では既に前走の天皇賞(春)で二着と惜しい競馬、スルッとGI勝利が逃げていった前走、そこから馬の力を信じて宝塚記念では見事に勝利をたぐり寄せました。

テレビ観戦なので実際のところはよく分からないのですが、映像を見る限りではレース直前までは雨も止んでいて馬場も回復傾向にあった2024年の宝塚記念でしたが、レースが始まると雨が強くなり、一コーナー回るところでいきなり豪雨のような降りを見せ、道悪巧者のブローザホーンを天候も勝利に導いていたような感じもしました。

もちろん、ブローザホーンの力を信じて、下り坂からスパートを開始、直線に入ってからは内と外の馬場の状態を見極めて、外ラチ沿いという宝塚記念では余り見ない進路を選択した菅原(明)JKの判断は好判断だったと思いました。

2024年:宝塚記念は道悪巧者のレースだった?

前述のように宝塚記念はブローザホーン以外にもプラダリアやソールオリエンス、ベラジオオペラと道悪巧者が上位を占めたレースだった、という面はあります。

二着だったソールオリエンスはGI初勝利の皐月賞が重馬場(しかも開催最終週の荒れた馬場で雨が残っての重馬場)でしたし、プラダリアは重馬場で京都大賞典を勝利した実績があってコース実績と共に重馬場の京都実績があったと言う点、ベラジオオペラはソールオリエンスが勝利した重馬場の皐月賞こそ大敗しましたが、その前走スプリングSを重馬場で上がり最速で差し切って勝利しています。

勝ったブローザホーン以外でも、馬場状態が重馬場に悪化したGⅡ以上となる格のレースで勝利した実績がある三頭が連下を争ったと言う点は確かに道悪への適性が要求されたレースだったように思えます。

このためか、ブローザホーンの道悪巧者ぶりが喧伝されましたが、今年に入ってからのブローザホーンの充実ぶりは目を引くものがあり、道悪じゃなかったとしても上位と五分にやれたんじゃないかと個人的には思っています。

ブローザホーン2024年の重賞三走を振り返る

去年の京都大賞典で心房細動を発症し競走中止となったブローザホーン(ちなみにこのレースが菅原(明)JK久々の再登板、以降継続騎乗)ですが、そこから立て直し、年明け初戦の日経新春杯では上がり三ハロンメンバー中最速の脚を使って後方から一気に差し切って勝利しています。

阪神大賞典も最近の長距離戦のようにスローからのヨーイドンで上がりの競馬、テーオーロイヤルが完勝だったものの、ブローザホーンは最後にワープスピードと二着争いを繰り広げます。内と外の位置取りの差と1キロの斤量差がわずかにクビ差に繋がったように思えましたが健闘といえそうな内容でした。

ただ、これが本番の天皇賞(春)になるとまたちょっと違った感じの流れになって、前半59.7秒の速い流れから、いきなりペースダウン、12秒台のラップが続き12秒台後半(12.9秒)まで遅くなる流れでレースが進みます。
そこから残り四ハロンのところでいきなり1秒近く(0.9秒)ラップが速くなるという緩急の付いた流れでレースが進みました。

この流れで、好位追走のテーオーロイヤルの勝利や二番手追走でなだれ込んだディープボンドが三着好走というのは合点がいくものですが、道中10番手以降を追走していたブローザホーンは良くても四着スマートファントムや五着ワープスピードくらいの結果に終わりそうなものです。
阪神大賞典では折り合いを欠いていた面が指摘されていたのですが、本番の天皇賞(春)ではきっちり折り合いも付いていて最後の末脚の爆発力に繋げていました。上がり三ハロン34.6秒はメンバー中最速の上がりで、展開面を考えるとかなり強い内容だったと思います。

そしてこの重賞三戦は阪神大賞典の稍重を除くと、いずれも良馬場での開催でした。

改めて、道悪巧者というだけでない勝因

詰まるところ、道悪になった宝塚記念で道悪巧者のブローザホーン、というのは一因ではあったと思いますが、勝因がそれだけじゃないよなという個人的な感想です。

道悪の馬場が合ったのはあるけど、直線で内と外の馬場の差がかなりあった中で、菅原(明)JKが馬場読みをして"外に出して末脚勝負"とある程度決め打ちしていたような感じがします。あんな開催最終週の新潟コースみたいな直線の様子、あんまり京都で観ないですよね。

勝利インタビューでも「ゲート出て馬と相談しようと考えていたが、思ったより後ろだったというのはあった。」と、後方からになった道中には「レースの流れをみながら、周りの馬をみながら、考えていました。」に続いて、「四コーナー回ってくる時にとても余裕があって手応えがあったので、後は伸びてくれたらなと思って追い出した。」とあったので、ある程度後ろで脚を溜めて折り合い重視、勝負所から京都の下り坂を利用して勢いを付けつつ加速、直線で末脚勝負なら負けない、という目算があったんじゃないかと考えています。(あくまで一ファンの考察です。)

持ち味は思い切りの良い騎乗

ブローザホーンの話ばかりになってしまいましたが、これらをエスコートしたのが菅原(明)JKの手腕です。

菅原(明)JKの持ち味は思い切りのいい騎乗と絶妙な馬場読みです。

例えば2021年のアイビスSD、不利な最内枠を引いてしまったバカラクイーンは(調教師の先生の指示でしたが)内ラチを単騎突き進み、14番人気の低評価をひっくり返す三着に激走、外に集結する他馬を尻目に単騎内ラチ沿いから勝負に絡みました。
開幕週だから内はそこまで荒れていない、というのもあったと思いますが、新潟千直は外ラチ沿い=外枠という常識を覆す好走だったと思います。

2024年は大阪杯11番人気でルージュエヴァイユを三着に導いたのもありますが、それ以上だったのは2023年フローラSでゴールデンハインドで逃げ切ったレースとか同じ2023年オーシャンSで15番人気とブービー人気だったディヴィナシオンを二着に導いて波乱の立役者となったレースなんかも印象的です。

思い切った騎乗で"ここだ"という思いがけないところから馬を持ってくる能力が高く、ハマらなくて敗戦となることもありますが、穴をあける条件はこういった思い切って勝ちに行くレースをする、という点にあると思います。

今回の宝塚記念の勝利でブレイクしてしまうと騎手で人気するシーンも出てきそうなので、穴党としては多少複雑な心境ではありますが、菅原(明)JKはもっと評価されて良いジョッキーの一人だと改めて感じた2024年宝塚記念の勝利でした。

あと、小話ですが、2024年6月8日の東京5R新馬戦でコートアリシアンに騎乗の菅原(明)JKがJRA通算300勝を達成。
贔屓目にしているサートゥルナーリア産駒の初勝利が菅原(明)JKの節目の300勝と同時に達成ということで、メモリアルレースとなったことも印象的な出来事でした。