以前に「オープニングテーマ」と言う馬を話に出しましたが、
その父であるアメリカの大種牡馬シーキングザゴールドが老衰で亡くなったそうです。
ご冥福をお祈りいたします。
ここでオープニングテーマと言う馬の話題を。
シーキングザゴールド
シーキングザゴールドはアメリカの種牡馬で日本の初場ではありません。ですが、外国産馬が輸入されまくっていた90年代に数少ない数頭しか輸入されていなかったにもかかわらず、その数頭がすべてオープンクラスに昇格する、というトンデモナイ状況で「シーキングザゴールド産駒は日本の馬場に合っているんじゃないか?」と言うところから静かに人気になった種牡馬です。
有名なところでは98年のスプリンターズSがマイネルラブとシーキングザパールでワンツーフィニッシュしシーキングザゴールドの力を見せつけられました。
シーキングザパールやシーキングザベストのように、馬名がシーキングザ~となっていると、シーキングザゴールド産駒の○外ということが多いのですが、シーキングザダイヤを見たときにてっきり父シーキングザゴールドかと思ったら父ストームキャットと記述があって「違うんかい」と思ったことがあります。よくよく見たら母シーキングザパールだったので母からシーキングザ~を受け継いだ、ということだったみたいです。
このように、アメリカの種牡馬ながら日本競馬への対応力を見せつけるスーパー種牡馬と言える存在がシーキングザゴールドです。フォーティナイナーのように爆買いの対象にならなかったのは本当によかったと個人的には思います。
ミスタープロスペクター
シーキングザゴールドを語る上で避けられないのはアメリカ競馬の歴史そのものといっても過言ではないミスタープロスペクターですね。シーキングザゴールドの父はミスタープロスペクター産駒です。
何気に母父がバックパサーはマルゼンスキーやヤマニンスキーと同じですね。ミスタープロスペクターの産駒でも日本の競馬では合う馬と合わない馬が合ったように思いますが、母父バックパサーというのは合うんですね。たぶん。
ウッドマンを経てヘクタープロテクターやティンバーカントリーなどの種牡馬にも受け継がれていますし、ミスタープロスペクターの直仔のキングマンボなんかは今やメジャー血統と呼んでも差し支えないほどに日本競馬では重要な血統の一つになっていますね。孫世代はエルコンドルパサーやキングカメハメハが日本競馬を彩っています。
このミスタープロスペクターの偉大な遺伝子の一つがシーキングザゴールドですね。そう考えると偉大な種牡馬がまた一頭旅立った、ということになります。
で、オープニングテーマ
そんな評判のシーキングザゴールド産駒、初年度でシーキングザパールで大ブレイクした96年デビュー組、デビュー前から「この馬は走る!走るんですよ。」と職場の先輩競馬ファンにガッつき気味に主張していたところが先輩からは「胸前の筋肉がムキムキで脚は短め、マッチョだからダート短距離じゃあねーのかね?」などと諭されて不満に思っていた96年。朝日杯二着で「それ、見たことか」と買った気分になったのは内緒です。
97年シーキングザパールが勝ちまくるところで、オープニングテーマは受難の時、NHKマイルCも惨敗してしまいました。
そして中日スポーツ賞四歳Sを勝ち「してやったり」と思っていたところで、秋に二走し引退してしまいます。
探したけど残ってる馬券はNHKマイルCの単勝しかありませんでしたが、私の競馬の一ページにオープニングテーマがいます。
そんな思い出の馬を輩出してくれたシーキングザゴールドが亡くなったのは、なんだかもの悲しさを感じます。
齢三十を超える馬歳を経ての老衰は大往生といってもいいんじゃないかと思っています。
ありがとうシーキングザゴールド。