ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日はGIとJpnIの違いを簡単に調べてみます。
地方競馬はほとんどJpnI?
中央競馬ではGI、GⅡ、GⅢ、と重賞の格付けがグレードで表現されています。
一方の地方競馬では交流重賞の一部ではGⅡ、GⅢはあるものの、ほとんどは「JpnI/JpnⅡ/JpnⅢ」と表現されています。わずかに東京大賞典だけは「GI」と表記されていますが、その他は全て「JpnI」表記です。
このJpnIレースには90年代半ばにGIと表記されていた川崎記念や帝王賞、マイルチャンピオンシップ南部杯なども含まれています。
この差はなんだろうか?というのが今回の話。
地方競馬と中央競馬の違い、というわけではない
JpnIと表記されたレースは地方競馬の開催に多くて、中央競馬では見掛けない表記です。でも地方競馬では大井主催の東京大賞典というGIがあり、必ずしも地方競馬でGI表記のレースがないというわけではないといえます。
国際化の影響
90年代から2000年代の前半は国際競走といえばジャパンカップという印象でした。
実際はオールカマーや毎日王冠といったGⅡで国際指定のあるレースは存在していて、毎日王冠でアヌスミラビリスが参戦し勝利を挙げています。実際には少ない外国馬の参戦からこうした勝ち馬が出ていることからも、当時は日本馬と外国馬には結構な開きがありました。
そういや京王杯SCも国際競走で安田記念の前哨戦として外国馬が出走していました。スキーパラダイスとかハートレイクとか。
当時は国際競走でないジャパンカップ以外のGI馬は海外ではGIホースを名乗ることができず、国際GIに認定された平成四年以降の勝ち馬であるトウカイテイオーとかレガシーワールド、マーベラスクラウンしか海外ではGIホースと名乗れなかったという時期があります。
それが安田記念、宝塚記念、マイルCSがジャパンカップに続いて国際GIになって、2006年から2007年に掛けて一気にほとんどのGIを含む重賞が国際グレードとなり、国際化を果たした中央競馬の重賞だけがGI、GⅡ、GⅢの格付けをレースに使えるようになりました。
このタイミングで格付け表記が変更されます。
海外共通の格付けである国際グレードを持つレースがGI、GⅡ、GⅢの格付け、地方競馬は国際グレードを持たないレースがほとんどで、その場合にはJpnI、JpnⅡ、JpnⅢの表記が使われることになりました。
地方競馬初のGIは国際競走として2011年から施行することになった東京大賞典、2021年現在で地方競馬主催の唯一のGIとなります。ダートグレード競走でもチャンピオンズカップやフェブラリーSと並んで格が高いGIということになります。
まとめ:国際競走だから
つまり国際化を果たした(2007年以降の)日本の競馬でGI、GⅡ、GⅢを使えるのは国際競走としての基準を満たしたレースだけ。
基準に満たない重賞はJpnI、JpnⅡ、JpnⅢの格付け表記が使われる、ということです。