ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は、以前の芝のレースからダートへ転戦の逆バージョン、ダートから芝への転戦する馬についての基礎知識なんかを。
前回<競馬雑学:芝からダートへ転戦する馬 - SpecialなWeekを目指す競馬日記>と逆のパターンです。
ダートから芝への転戦は成功しづらい
元々芝を走っていた場合を除いて、ダート馬が頭打ちとなって芝のレースに転戦する、というケースはないわけではないのですが、芝⇒ダートよりダート⇒芝のほうが成功することが少ないと言われています。
やっぱりスピードと瞬発力の絶対値がものをいう芝のレースでは、パワーと先行力が重要なポイントとなるダートのレースと異なるということじゃないかと考えられます。
よく、軽い芝のレース、力の要るダートのレース、なんて表現されますが、やっぱり絶対値の高さが要求される芝と、スピードとパワーの両立が必要なダート馬というのは相容れないところがあるので、芝の名馬が必ずしもダートの名馬としてトップに立てるわけじゃないことからも、要求される能力が相違するのはなんとなく理解できます。ましてアグネスデジタルのように両立することはかなり難しいんじゃないかと。
短距離馬とか二歳戦
意外とすんなりダートから芝への転戦が上手くいくケースは、短距離馬とかデビュー間もない二歳戦などが多いようなイメージがあります。
例えば新馬戦はダートでデビューしてその後は芝のレースを使って行く馬もいます。ダート二戦して賞金を稼いでGI阪神JFに挑戦、なんてよくある感じです。
これは前回<競馬雑学:芝からダートへ転戦する馬 - SpecialなWeekを目指す競馬日記>にも話にありましたが、短距離を一気にスピードで押し切って走り切るという能力が要求されるレース展開であれば、芝かダートかの適性より能力差で勝ちきってしまうレースがあるということが一面としてあります。
二歳戦でいえば、完成度の差、なんて言われることもあります。
血統から判断されたケース
ダート馬はダート血統から誕生する、という具合にデビュー前からダート馬だよね、と人間側が判断してしまうケースがあります。
ただ、馬はそれぞれ個性が違うように、兄弟全てダート馬だからといって当馬がダート馬だということはなく、芝で活躍するというケースもあります。
この場合、最初はダートのレースを使われていたのですが、試しに使ってみた芝のレースで好走し、改めてこの馬は芝の馬だと再認識されて芝へ転戦し活躍する、というケースもあります。
ただ、血統から判断といっても、ヘニーヒューズ産駒はその仕上がりの早さからデビュー直後はしばらく芝を走ってある程度頭打ちになったところでダート転戦しもう一段階成長するケースもよくあって、なかなか血統から判断するのも一苦労です。
脚元が弱い
本来芝のレースで活躍するタイプなんだけど、脚元に不安があって負担の少ないダートのレースを選択する、というケースもあります。
ダートでそこそこ走れている=能力はそれなりにある、という馬が脚元に不安があるという理由でダートのレースが選択されていた場合、芝への転戦でノーマークならダメ元でも狙ってみるというのは良いかもしれません。
ダートから芝への転戦は短距離で
個人的にはダートから芝への転戦はあまり成功例が少ないレアケースという認識です。ただ、まだ能力がはっきり判断できないほどに戦歴の浅い若駒や、ケガや脚部不安などでまだそれほど走っていない馬は等しく可能性を持っている、という考え方をしています。
それでも、能力である程度行けそうな転戦は短距離戦かなぁという印象です。転戦初戦が千直だったナランフレグのように。
そう考えるとヴェラアズールってかなりのレアケースでの成功例だなぁと改めて実感しました。ダートから芝の中長距離に転戦しあっという間にGI制覇と成功を収めました。
それでもやっぱりアグネスデジタルのような芝とダートのGIを交互に出走しどちらも勝利するという離れ業をやってのける競走馬は見当たらず、これもかなりのレアケースだったことがうかがえます。