ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は新聞によく書いてある「ゲート難」について。出遅れだけじゃないゲート難を考えてみます。
ゲート難とは何か
よく考えたら、以前にも記事にしていました。
このときは「ゲートを出ない」ことに対してゲート難=気性難という話でしたが、ゲートを出ないだけじゃないゲート難というのもあるな、と改めて思ったのが、先週(8月9日)の新潟最終レース。
最終レースで…
先週8月9日の新潟最終レース、3枠5番に入っていたルクルトという馬が、枠入り後ゲートが開く前にゲートを突き破ってフライングスタートしてしまいました。
各馬が収まってスタートする直前のアクシデント、しかもこれでゲートの前扉が破損、馬体には異常なしということでルクルトは外枠からの発走となりました。
ゲートの扉を破壊してまでそのゲートから脱出したかったのかなぁと。
アクシデントを起こしてしまった競走馬はそれだけ無駄に体力を使ってしまうことになるので、そのレースでは成績に結びつかないことがほとんどです。ルクルトもこの例に漏れず、シンガリ負けとなってしまいました。
ただゲートを出ないだけじゃない、ゲート難
ゲート難はゲートでジッと落ち着いてスタートを待てないことを指しています。
そのため、前出のルクルトのようにスタートが悪くないような馬でもゲート難と評されます。
例えば有名なのは若い頃のサイレンススズカ。
新馬戦圧勝の直後に弥生賞に挑んだサイレンススズカがゲートでジッとすることに我慢できず、前脚を掻いて穴を掘るような動きでゲートをくぐって脱出してしまった、ということもあります。
二番人気に推された弥生賞は八着に敗退、皐月賞出走の狙いは断たれてしまいました。
他にもセイウンスカイ、これもゲートを出ないわけじゃないゲート難で有名な一頭です。
ゲート難といっても、逃げ馬のセイウンスカイはむしろゲートの出は良いのですが、ゲートに入るのを嫌って発走時刻が遅れることが多々ありました。
皐月賞でもゲート入りを嫌って全然ゲートに入ろうとしません。先にゲートに入った馬はセイウンスカイ待ち。(私の本命スペシャルウィークは大外18番なのであまり影響を受けませんでしたが)
でもいざレースに向かうとむしろセイウンスカイは好スタートから二番手三番手くらいの位置に付け、三コーナー付近で逃げ馬を競り落として直線では先頭を独走、セイウンスカイはゲート難が結果に影響しない希有な存在なのかもしれません。
ゲート難によって先にゲートインした他馬を待たせておきながら、自分はきっちりとスタートを決める、セイウンスカイって実は賢い馬だったりして。
現役随一のゲート難
ゲート難(有名という意味で)と言えば、去年の有馬記念でゲートを出ず致命的な出遅れ、しかしそこを追い込んで五着と踏ん張ったキセキの走りを思い出します。
キセキはその後、今まですんなりゲートを出てハナを奪っていたスムーズなスタートが嘘のように、スタートが鬼門となりつつあります。
今年の阪神大賞典でもゲートを出ようとしなかったキセキは折り合いも欠いて七着に敗退、テレビでは「ルーラシップ産駒特有のゲートが課題云々」という話を耳にしました。
天皇賞(春)を落鉄もあって六着敗退のあと、宝塚記念は二年連続となる二着で復活の兆しを掴んだように見えました。秋が期待されます。でもゲートは相変わらず課題なんだろうな。
ゲート難といっても「イコール出遅れ」ではない、ということを思ったのでちょっと文字にしてみました。