ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は2月で騎手引退、調教師転身となる名手福永JKの騎乗したレースのうち印象に残っているレースについて書いてみようと思います。自分がリアルタイムで観戦したレース限定。
日本ダービー:ワグネリアン
やっぱりまずはここかなと。
振り返り2018:東京10R-日本ダービー - SpecialなWeekを目指す競馬日記
正直ワグネリアンは東京コースの瞬発力戦だけの馬だと思っていました。
ただ、それだけに皐月賞よりダービーというのは頭では分かっていたのですが、弥生賞で圧倒的な強さを見せていたダノンプレミアムに肉薄したのがどうも予想の検討を狂わせていました。加えてダービーは8枠17番とまず芽がない外枠だったことも手伝ってか、単勝12.5倍の五番人気とそれほど人気を集めていませんでした。
しかし終わってみれば前残りの展開となったダービー、逃げ切りを図るエポカドーロ半馬身とらえてきっちりと先頭でのゴールを決めました。二着以下が大混戦でしたがその混戦から半馬身抜け出していたのは、福永JKの腕もあったのかなぁと今になって思います。
高松宮記念:ディヴァインライト
このレースはまず勝ったのがかつての主戦だったキングヘイローのGI初制覇となったレース。そのキングヘイローでなく二着だったディヴァインライトに騎乗していたのが福永JKという点で印象に残っています。ただディヴァインライトで福永JKは勝利は挙げていないのですが、この奇妙な縁を感じた高松宮記念で記憶に残っています。
一番GIの勝利に近づいたのが2000年高松宮記念でした。このときロスなく内の方からレースを進めた福永JKは前が開いたタイミングを逃さずディヴァインライトにゴーサインを出し、一気に前のアグネスワールドをかわして先頭に立ちます。
あとはこのままゴールするだけ、ディヴァインライトにGI初制覇のときがきた、と思った瞬間、大外一気で前の馬をまとめてゴール前差し切ったのは、かつて主戦を務めたキングヘイローでした。
福永JKが中京コースでいまもよく見せてくれる好騎乗で、初重賞制覇をGIで決めてくれそうだと思った次の瞬間に柴田(善)JK騎乗のキングヘイローがGI初制覇を決めていました。
ディヴァインライトはスペシャルウィーク世代なこともあって多少贔屓目もあるのですが、クラシックから見てきた印象ではダートもいけた印象があり、現代ならかなりダート路線で有力どころに成り上がっていたような感じがします。重賞未勝利で現役引退ということもなかったんじゃないかなぁと。
根岸S:カフジテイク
根岸Sといえばブロードアピールの追込み一気が現代でも語り草となっていますが、2017年のカフジテイクも福永JK騎乗で負けず劣らずの末脚を見せてくれています。
このときはベストウォーリアとの組み合わせで的中を運んでくれました。
振り返り:東京11R-根岸S - SpecialなWeekを目指す競馬日記
スタートに課題のあるカフジテイクはスタートが決まると終いが甘くなってしまうというなんとも難しい馬でした。この根岸Sでも決して速いスタートを決めてはいないものの、まずまずの出で序盤から脚を溜めることに徹しているような乗り方に見えました。
勝負所で早目に外に持ち出した福永JKは、四コーナーで最後方となっても大外に持ち出すことを選択、直線に入ってから大外一気で全頭ゴボウ抜きをやってのけます。人馬一体となって末脚勝負に徹したカフジテイク。良馬場では信じられない上がり34.5秒という鬼脚を引き出した福永JKの好騎乗が光ったレースでした。的中できたからこそ印象に残っている一鞍ではありますが、極端な追込み一気が決まったレースというのも印象に残っている一因です。
阪神ジュベナイルフィリーズ:レーヴディソール&ジョワドヴィーヴル
この二頭の阪神ジュベナイルフィリーズは仲間内でやっていたPOGでたまたま指名していた馬が福永JKを背に二年連続で阪神ジュベナイルフィリーズを勝利してくれたので印象に残っている、という側面はあります。
前年のレーヴディソールは新馬戦勝利直後のデイリー杯2歳Sから初コンビで快勝、期待を集めた本番の阪神JFでもジワッとゲートを出て中団やや後方を待機し包まれないように外目を追走、直線に入ってからゴーサインを出すと、先に抜け出したホエールキャプチャを鮮やかに差し切って勝利を収めました。
翌年のジョワドヴィーヴルも阪神JFではレーヴディソールと同じような位置取りで中団後方から外目を追走、直線に入って、「え?前年のリプレイ?」と思うようなポジションから仕掛けどころも同じに見えました。前年と違ったのは直線の末脚で一気に前を差し切ると後は独走態勢、後続に二馬身半差を付けてジョワドヴィーヴルは新馬戦勝利直後の二戦目でGI初制覇を達成しました。
阪神JFはこうやって勝つ、というメッセージが福永JKから伝わってきたかのような二年連続の勝利でしたが、相手関係も騎乗馬も違う二歳牝馬のGIで同じようなレース運びできっちり勝ち切るというのはなかなか出来る芸当じゃないとこのときは思ったものです。