ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は2024年上半期の種牡馬リーディングの成績から、種牡馬の勢力図を改めて見直してみようと思います。
なお、今年の数字は2024年6月30日終了時点の数字を元にしています。
昨年の種牡馬リーディングを復習
2023年の種牡馬リーディングはドゥラメンテ、次点の二位にロードカナロア、三位はディープインパクトとなりました。これに続く四位キズナ、五位ハーツクライと常連の名前が続きます。
出走数や出走頭数さらに勝利数自体もロードカナロアが最多なのですが、ドゥラメンテ産駒は三冠馬リバティアイランドを始めとして大レースでの勝利が多く、獲得賞金で二位のロードカナロアを抑えての種牡馬リーディングとなりました。
ちなみにドゥラメンテ産駒は、四位のキズナ産駒よりも勝利数は少なくて、平場や特別戦での勝利数はロードカナロア産駒が抜けており、次点はキズナ産駒となっています。
大きな舞台での勝利数によって獲得賞金を稼いだドゥラメンテと三位のディープインパクト、対してロードカナロアとキズナは純粋に勝利数で稼いでいる印象があります。
三位ディープインパクトの凄さも改めて認識。出走数に対して勝利数や大舞台の活躍する産駒が2023年にもまだまだ現役で種牡馬リーディング上位に食い込んでくるあたり、さすがとしか言い様がありません。
ディープインパクト時代も既に過去
2024年は上半期終了時点で上位の顔ぶれに変化が見られます。
リーディングトップはキズナ、産駒勝利数も唯一100勝超えで獲得賞金もトップの数字を残しています。
2021年から種牡馬リーディング上位五頭に毎年顔を出す常連となっていましたが、産駒のブレイクでいよいよディープインパクトの後継種牡馬としての存在感を発揮し始めているように見えます。GIはジャスティンミラノが勝利した皐月賞のみに留まっていますが、重賞勝利が七勝と多く、勝利数と重賞勝利数の多さで首位に立っている印象です。
二位がロードカナロア、産駒勝利数はキズナよりちょっと少ないものの92勝、ただ重賞勝利がキズナより控えめな四勝、そのうちGI勝利は大阪杯を制したベラジオオペラの一勝となっています。
2020年から種牡馬リーディング二位、ディープインパクトに次ぐ二位を三年連続続けた後、勝利数で大きく下回るドゥラメンテに獲得賞金額で負けて2023年も二位、今年こそリーディングトップが狙えるかと思ったら、思いがけずキズナの産駒躍進でまたしても二位に留まっています。
上位のキズナとロードカナロアの二頭が三位エピファネイア以下を大きく離した勝利数を挙げています。
ただ三位のエピファネイアは産駒勝利数こそ51勝に留まっているものの、2024年上半期でGI四勝を含む重賞九勝を挙げており、獲得賞金では他の二頭と差のない数字を残しています。
そのGIは記憶に新しいGI初制覇のブローザホーンの宝塚記念や日本ダービー勝利ダノンデサイル、ヴィクトリアマイルで大穴だったテンハッピーローズにクラシック桜花賞勝利のステレンボッシュとなかなか幅広いキャラクターを見せてくれています。
さらにエピファネイアはアーニングインデックスもトップのキズナと競る数字を残していて2021年にエフフォーリアがブレイクして以降に種付けされた世代が(今年の三歳馬も含めて)出世している印象があります。
エフフォーリアに続くのは四位ドゥラメンテ、五位ハービンジャーとなっています。
2歳リーディングを確認してみる
JRAのサイトで、2023年の2歳リーディングサイヤーランキングを見て見ると面白い共通点がありました。
※JRA:
2023年度 リーディングサイヤー(2歳)【賞金順】で数字は確認しています。
2023年の2歳リーディングサイヤーはキズナでした。のべ90頭が201回出走し、32勝を挙げています。
二位のエピファネイアはこれを上回るのべ95頭の出走で222回の出走から33勝を挙げていますが、獲得賞金額ではわずかにキズナに及ばず二位となっていました。
これらに肉薄していたのがスワーヴリチャードで、62頭と上位二頭より少ない頭数で151回の出走回数から、25勝を上げて賞金額もエピファネイアに迫る獲得賞金額になっています。
これが2022年の2歳リーディングサイヤーを確認すると、一位ドゥラメンテが67頭で134回の出走から24勝を挙げて獲得賞金一位となっていて、出走頭数100頭が236回出走し35勝を挙げている二位エピファネイアに賞金額で勝っているランキングの数字となっています。
三位以下はルーラーシップですがやや離された三位となっており、二頭が抜けていたことが窺えます。
2歳リーディングは産駒の仕上がりの早さも影響してくるので、一概には言えないのですが、前年の2歳リーディングサイヤーが翌年の種牡馬リーディング首位となっているのはなかなか面白い傾向のように思えます。次にブレイクするのは
産駒数・出走頭数だけじゃない印象
単純な数字で言えば産駒数や出走頭数に比例して勝利数が伸びているロードカナロアが毎年高い数字を残しているのですが、毎年リーディングトップをあと少しで取れていないあたり、単純に産駒数や出走頭数が多ければ種牡馬リーディングを獲得できるというわけでもないのが面白いところです。
確かに例年産駒の勝利数は最多のロードカナロアなのですが、獲得賞金数自体は2020年~2022年はディープインパクトや2023年はドゥラメンテに負けているという。
特に2023年は全ての数字でドゥラメンテを超え他ロードカナロアが唯一獲得賞金だけはドゥラメンテに劣り種牡馬リーディングを逃しています。
2024年は上半期でキズナがわずかにロードカナロアを数字面でもリードしており、二頭の真っ向勝負で種牡馬リーディングが展開されていきそうな感じがするのですが、新しく割って入る活躍馬が現れるでしょうか?
この辺は秋のGIでがらりと変わることもあるので、気になったら確認してみたいと思います。