今週は古馬中距離戦のAJCC、フェブラリーSの前哨戦となる中京ダート1800m戦の東海Sと重賞二鞍。
どちらも好メンバーで有力馬同士の競り合いを観たくなるレースと言えそうです。
平場では、土曜中京11Rの3勝クラス豊明Sにオールザゴーが鞍上坂井JKで出走予定。
翌日日曜には小倉5R新馬戦にPOG馬ベルンハルトが鞍上団野JKで出走予定、同日の中山12R2勝クラスではアブソルティスモが鞍上ルメールJKで出走予定と期待の二鞍。
とうとうベルンハルトがデビュー戦、上はそれほど出世していませんがいままですべて牝馬だった産駒の中に一頭だけ牡馬として誕生という珍しい存在。
そしてアブソルティスモ、引き続きルメールJKが騎乗してくれるのは朗報です。期待したいと思います。
AJCC
AJCC(アメリカジョッキーズクラブカップ)はハンデ戦となる西の日経新春杯と違って別定戦の一戦なので、より見応えのある古馬同士の力勝負が期待出来るレースです。
1999年にはスペシャルウィークが菊花賞二着後にジャパンカップ三着から捲土重来を期して出走し二着に三馬身差の圧勝と言える勝利で古馬初戦を飾ったレース。
今年も前年の菊花賞二着馬が出走してきます。その名はアリストテレス。
菊花賞二着はコントレイル相手に最後の最後まで食い下がり、差したか?と思わせる勢いだったものの、残念ながらの二着、とはいえ無敗のクラシック三冠馬に迫った実力は本物と思わせるものでした。
日経新春杯と違って別定戦のここは、実力通りすんなりというシーンもよくある決着で、人気は集めそうですが逆らわずに中心視していきたいものです。
菊花賞二着のアリストテレスも出走ですが、三着馬のサトノフラッグも出走予定。うーん、中山2200mはセントライト記念の二着好走もあることだし、この距離でアリストテレスが取りこぼすならサトノフラッグということもあるのかなぁ。
そして今年のAJCCは有力四歳馬が多数出走、四歳馬だけでも目移りしてしまいます。
ヴェルトライゼンデも有力な四歳馬として人気を集めそうな一頭です。
皐月賞こそ五着だったサトノフラッグに先着を許す八着に終わりましたが、ダービーでは逆転、ヴェルトライゼンデ三着の好走に対してサトノフラッグは11着と大敗しています。
神戸新聞杯もコントレイルに0.3秒差の二着だし、2200mという距離実績を考えるとサトノフラッグに遜色ない実績と言えそうです。決して左回りコースだけの馬というわけでもなく、中山コースではホープフルSでコントレイルに0.2秒差の二着があったり、スプリングSでは一番人気に推されながらガロアクリークにこれも0.2秒差での二着とコース実績がないというわけでもなく。サトノフラッグと取捨に迷う成績といえそうです。
そして四歳牝馬のウインマリリン。
オークス二着でしたが前哨戦では三頭クビ差で横並びを競り勝って重賞勝利、ぶっつけだった昨秋の秋華賞は力を出せなかったようですが、一叩きして二走目のエリザベス女王杯は古馬との初対戦もラッキーライラック相手に0.4秒差の四着とよく走りました。
左回りの中京2000mとなる牝馬限定戦の愛知杯を使わずに、わざわざ中山2200mの牡馬混合戦になるAJCCを使ってくるあたり、なにか期するものがあるように思えてきます。
穴馬も検討しがいがある実力馬たちが多数出走してきます。
よく見ると去年は格上挑戦で日経新春杯を勝利したモズベッロもこちらに出走してきます。今年の日経新春杯は中京開催だからこちらにしたんでしょうか。
去年の日経新春杯で重賞初制覇後に続く日経賞も二着と好走、そしてクロノジェネシスが圧勝した宝塚記念で12番人気の低評価ながら三着と好走、距離や相手関係から考えても戦えそうな舞台です。
中山の中長距離戦で良績を収めているサンアップルトンとかステイフーリッシュ、ラストドラフトなんかも穴で面白いです。去年二着のステイフーリッシュと三着好走のラストドラフト、これに去年四着のジェネラーレウーノを加えた三頭はAJCC実績という意味でもここは走っておかしくない舞台。
そして、前走ステイヤーズS二着好走のタガノディアマンテ、すっかりステイヤー側の評価で人気にはならないだろうと思いますが、中距離もこなせるタイプだとみています。中山は合うと思うので、連下としては警戒しておきたい一頭です。
一言で言えば、単純に四歳馬だけ狙っておけばいいレースってわけじゃない、と考えています。しっかり検討したいですね。
東海S
やっぱり七歳馬ですがインティに注目が集まりそうなレースです。
なんと言っても一昨年の勝ち馬なので既にこの中京1800mのダート重賞という条件は実績がある点は強調材料です。ちなみに去年の東海S三着は京都ダート1800m戦だったから度外視、それでも三着にきっちり走っているあたりは流石です。
これに加えて、一昨年のチャンピオンズC三着に続いて去年もチャンピオンズC三着で二年連続三着の好走という実績が中京1800mの適性を物語っています。
インティは誰でも本命に据えそうな人気馬ということで、個人的に大注目なのがオーヴェルニュです。
現在二連勝中、前走ベテルギウスSでもその前の福島民友Cでも的中を運んでくれました。
福島民友Cの三着馬ソリストサンダーはその後、武蔵野S二着に続いて先週の門司Sを勝利するなど好走を連発、二着馬のスマートセラヴィーもその後オータムリーフS勝利に続きギャラクシーS三着と好走を続けています。
前走のベテルギウスSでも二着に負かしたテーオーケインズがその後に暮れの東京大賞典で上位に肉薄していて六着でしたが勝ったオメガパフュームから0.2秒差とかなり走っていますし、三着馬サトノギャロスも先週の門司S三着に好走、変な話去年門司S勝利のクリノフウジンにオーヴェルニュと勝ち負けしたソリストサンダーとサトノギャロスの二頭を採っておけば的中できたようなレース結果でした。
こういう具合に負かした相手が活躍していることもオーヴェルニュの強さを物語っていそうです。二連勝の勢いで重賞制覇も。
他には白毛馬ハヤヤッコとか重賞で好走実績を持つアナザートゥルースあたりが人気しそうですが、個人的に上の二頭が実力は抜けているような印象がある東海Sです。