SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

競馬雑学:アスクビクターモアが世を去る

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ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。

今日はアスクビクターモアの訃報に触れて、思い出を振り返ってみようと思います。

アスクビクターモアで思い出に残ること

やはり、一番は菊花賞の勝利で単勝を的中できたことじゃないかと思いました。
本命にした馬がクラシックで勝利するというのは、ちょっと格別なものがあります。それを実現してくれたのがアスクビクターモアでした。

古馬になってからゲートに問題があったり、どうも以前のような行きっぷりが戻らなかったりと、らしくないレースが続いていましたが、どこかで復活すると思っていただけに、放牧先で熱中症に端を発した多臓器不全という訃報を聞いたときには、残念な気持ちで一杯でした。

最初のアスクビクターモアとの出会い

初めてアスクビクターモアを意識したのはアイビーS<予想2021:10月23日<アイビーS/大阪スポーツ杯/富士S> - SpecialなWeekを目指す競馬日記>の予想でした。
既にこの時点で将来を予感させる実力を見せたドウデュースが人気を集めたものの一戦一勝だったためか二番人気で、このレースで一番人気だったのがアスクビクターモアです。
新馬戦はジオグリフ相手の三着、二戦目の未勝利戦ではその新馬戦で先着を許したアサヒを相手に勝ち切ってリベンジ、三戦目に選んだのがドウデュースと対決となったアイビーSでした。ドウデュース(単勝3.8倍)よりちょっと人気する単勝2.2倍がアスクビクターモア、予想で本命にしたのはドウデュースですが、ここで対抗をアスクビクターモアに打ちます。

振返2021:10月23日<アイビーS/大阪スポーツ杯/富士S> - SpecialなWeekを目指す競馬日記

結果はドウデュースが勝利したものの、アスクビクターモアは三着、二着に3/4馬身差とわずかに及びませんでした。

この後ドウデュースは朝日杯2歳Sを制して二歳王者に、一番人気だったアスクビクターモアは年明けの中山2000mの平場1勝クラスへ駒を進め勝利を収めることになります。

弥生賞でドウデュースにリベンジ

対照的な次走だった二頭は再び皐月賞トライアルの弥生賞で激突、しかしアイビーSの時と立場は入れ代わっており、ドウデュースは一番人気、アスクビクターモアは三番人気に甘んじていました。
ただ、このレース、POG馬のリューベックが出走しており、逃げてリューベックの逃げ切り、届かずの二着にドウデュースと予想して勝負しました。

予想2022:中山11R-弥生賞ディープインパクト記念 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

結果を見ると、ドウデュースが前をとらえきれず二着だったのは合っていたのですが、結果前で残ったのは逃げたリューベックではなく、道中二番手を追走して押し切ったアスクビクターモアの勝利で弥生賞を追えることになりました。

振返2022:中山11R-弥生賞ディープインパクト記念 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

アイビーSで負けたドウデュースへの借りを返した格好の重賞初制覇アスクビクターモア、当然次走はクラシックの有力候補として皐月賞に向かいます。

皐月賞、対抗にしたけど…

皐月賞は混戦模様となりました。ドウデュースが弥生賞で強かったけど敗戦したこととか、有力馬イクイノックスが二戦二勝と無敗も2歳重賞東スポ杯2歳Sから直行した異例のローテということとか、二戦二勝で無敗で共同通信杯を快勝したダノンベルーガが東京向きで中山向きじゃないことなどが重なって、人気は10倍を切る上位人気馬が六頭という大混戦、ここで弥生賞の勝利を評価してアスクビクターモアを対抗で狙って見ることにします。

予想2022:中山11R-皐月賞 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

しかし、いざレースが始まると逃げると思っていたデシエルトがスタート躓きちょっと出遅れ、思いがけずアスクビクターモアがハナに立ってレースを引っ張る展開になってしまいます。まさかアスクビクターモアの逃げになると思っていなかった皐月賞。

振返2022:中山11R-皐月賞 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

結局、淡々と平均ペースで流れた皐月賞は直線でアスクビクターモアをとらえたイクイノックスを大外から差し切ったジオグリフが勝利、アスクビクターモアは五着掲示板と踏ん張ったものの、三着ドウデュースからクビ差で並ぶ三頭の掲示板争いに留まりました。

切ったら来る、日本ダービー

結局ドウデュースの動向が気になる世代、イクイノックスも力があることはサートゥルナーリアを超える最長ブランクからのぶっつけ皐月賞で証明されたこともあって、待ち望んだ東京コースの本番を迎えたダノンベルーガと皐月賞馬ジオグリフを加えた四頭に人気が集中していました。

アスクビクターモアは単勝24.7倍の七番人気、思えば青葉賞勝利のプラダリアや皐月賞で先着しているオニャンコポンよりも人気がなかったことになります。

そして、ここで人気馬を絞りきれず、三頭を人気馬で固めて穴一頭勝負となってしまった結果、アスクビクターモアは切って勝負となってしまいました。

予想2022:東京11R-日本ダービー - SpecialなWeekを目指す競馬日記

しかし結果は、皐月賞でやりたかったはずの逃げるデシエルトを前に置いて二番手から進めて押し切る競馬をやり切ったアスクビクターモアが三着入線。

振返2022:東京11R-日本ダービー - SpecialなWeekを目指す競馬日記

勝ったドウデュースやクビ差二着のイクイノックスの二頭の末脚には二馬身差及ばなかったものの、後続のダノンベルーガはクビ差凌いで三着を確保、この二頭から五着プラダリアまでは三馬身差あってメンバーの揃った弥生賞を勝利した実力はフロックでないことを示してくれました。

秋に最後の一冠を制す

世代がかなりハイレベルだと評価されたアスクビクターモア世代。しかし最後の一冠菊花賞は世代の中心となったクラシックホースであるジオグリフとドウデュースや二冠連続二着イクイノックスにダノンベルーガは皆別路線に、菊花賞は春の重賞馬と夏以降に力を付けてきた上がり馬の戦いになりました。

初戦セントライト記念を選択したアスクビクターモアは同じ春の実績馬オニャンコポンと共にすんなり押し切ってくれると思ったことで本命にしました。

予想2022:中山11R-セントライト記念 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

しかし結果は二着。

振返2022:中山11R-セントライト記念 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

その次の年に函館記念を圧勝する(これはまだ知らない)ローシャムパークの追撃は振り切ったものの、勝ったガイアフォースの末脚に屈した二着に終わりました。

その次の本番菊花賞は、迷ったところでアスクビクターモアを本命に。
いつもは神戸新聞杯からの出走馬のほうを重視するタイプなのですが、らしくなくセントライト記念の上位二頭を本命対抗として勝負しています。らしくない。

予想2022:阪神11R-菊花賞 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

振返2022:阪神11R-菊花賞 - SpecialなWeekを目指す競馬日記

結局アスクビクターモアの単勝しか的中にならなかったのですが、二着ボルドグフーシュの上がり三ハロンメンバー中最速の末脚を持ち前の粘り腰で凌ぐというゴール前の追い比べは最後まで勝負が分からない叩き合い、最後は勝負根性のように凌ぎきっての勝利は感じるものがありました。

その後二着だったボルドグフーシュは続く有馬記念で勝ったイクイノックスに続く二着と好走、年明け阪神大賞典も二着と長距離で存在感を見せています。三着に敗退したジャスティンパレスは次走の有馬記念こそ着外でしたが、明け四歳で阪神大賞典から天皇賞(春)を制してGI初制覇、宝塚記念もイクイノックスの0.2秒差の三着と力のあるところを見せています。
これらの強敵に勝利したアスクビクターモアも、国内で日本の競馬を牽引していく存在になると思っていました。

年明けから歯車が狂う

年明け初戦は日経賞、タイトルホルダーとの新旧菊花賞馬対決となり盛り上がりを見せます。しかし、スタートで出遅れたアスクビクターモアは九着と敗退してしまいました。

続く天皇賞(春)ではゲートは好スタートを見せたものの11着大敗、続く宝塚記念でも本命にしたのですがらしくない11着と敗退してしまいました。
特に天皇賞(春)より良馬場の阪神コースと菊花賞に近い舞台が整った宝塚記念のほうが期待値は高かったことで、あの敗戦はちょっと信じられないところがありました。

堅実に走るタイプでも、一度歯車が狂うと元に戻すのはなかなか時間が掛かることもあります。
復活の時はあると思って、秋に期待していましたが、夏に残念な報を聞くことになるとは思っていませんでした。

世代で存在感を見せたディープインパクト産駒

アスクビクターモアはディープインパクト産駒の後期世代としてクラシックを制覇した一頭です。それは同期のディープインパクト産駒の稼ぎ頭であるジャスティンパレスやGI馬キラーアビリティには達成できなかった同世代(のディープインパクト産駒として)唯一の実績です。ただ、その血統は時代に繋ぐことができませんでした。

まだこれからだった四歳で残念な気持ちがある一方で、ハイレベルな世代と呼ばれたドウデュースやイクイノックスの世代のクラシックホースの一角として見せてくれたレースは、アスクビクターモアの分も同世代の有力馬達が見せてくれることを期待したいと思っています。