SpecialなWeekを目指す競馬日記

自分の買い目を考えて記録し後で検証するという目的のブログです。※馬券の購入は自己責任です。予想はそれほど悪くないが馬券に落とし込むところが課題です。

思い出話:レインボーライン、引退へ

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レインボーラインが引退することになったそうです。
6月6日付けのニュースで発表となっていますね。
しみじみ。
ちょっとした思い出話など。

症状は実は重かった

右前肢ハ行、という発表だったのでゆっくり静養しまた元気な姿を見せてくれると思っていました。あの阪神大賞典や天皇賞春で見せてくれたお終いの脚が見れると思っていました。

しかし、実は球節後面の腱・じん帯損傷というハ行より重症だったことが、そのあとの精密検査の結果によって明らかになっていたそうです。

思えば天皇賞春のゴール後、鞍上が下馬して馬運車で運ばれるとき、テレビの解説で岡部幸雄元騎手が
「いやぁ、これはダメかもしれませんね…。引退かも。」
みたいなことを言っていたのですが、まさにその通りになってしまったことになります。
最初に上の言を聞いたときは、いやいやまさか、そんなわけないよ、って思っていたのですが、さすが岡部さんです。一目で見抜かれてらっしゃいましたね。

レインボーラインの思い出

レインボーラインとの最初のカラミはニュージーランドT、予想で本命にして5着と大ハズレ、対抗にしていたダンツプリウスが勝利するというところから始まりました。
直線伸びを欠いたレインボーライン、しかし上位人気三頭に次ぐ四番人気だったので四着馬である一番人気のアストラエンブレムとハナ差競る五着ならまあ評価できる走りでした。それもあって、次走のNHKマイルCでは12番人気の低評価、しかし予想時点ではダンツプリウスとレインボーラインの二頭を「力はあり一発も狙えます。この両馬は勝たないまでも連下や三連複/三連単なら重要になってくると考えています。」などとあまり根拠もなく自信持って連下のおさえにしていました。結果はご存知の通り。12番人気の人気薄レインボーラインは三着に飛び込んで三連複の高配当を運んでくれました。
ダービーはさすがに余り強気には出れませんでしたが、次走の札幌記念でも△評価でワイド的中を運んでくれましたし、9番人気で出走となった菊花賞では距離に多少疑問を持ちながらも△評価とし二着好走、またしてもワイドと三連複の高配当を運んでくれました。
これですっかりとレインボーラインに魅せられた一ファンとして、出てくればある程度バイアスが掛かった予想でチャンスとみれば印をつけていきますが、ここからしばらくレインボーラインは馬券圏内に絡むことなく、低迷の時期を迎えます。

2017年の新年には「正確にはマイル~中距離が守備範囲と思っていますが、菊花賞三着で多少の長距離も展開次第では走れることを証明しました。昔、天皇賞春二着から安田記念二着、宝塚記念二着と守備範囲が広いところを走っていたカミノクレッセという馬がいましたが、レインボーラインも第二のカミノクレッセになれる素質はあるかもしれません。(あまりうれしくないか)」などとレインボーラインを評しており、穴馬としての期待が膨らんでいたのですが、2017年は結局泥んこ馬場という特殊なレースでキタサンブラックに次ぐ三着となった天皇賞秋だけ。あとはすべて着外(たまに掲示板には載るけど)という結果に終わってしまいました。

レインボーラインに訪れた変化

そんなレインボーラインが2018年初戦に選んだのは阪神大賞典、例年天皇賞春を目指す中心となる馬たちがステップとして選択するレースです。
この阪神大賞典で三番人気と人気を背負ったレインボーラインが快走をみせます。レインボーラインは最後の直線、きっちり大外から早めクリンチャーをかわすと、直線に入ってすぐに先頭を奪い、そのまま先頭でゴール、見事な一着入線を見せ、去年までのイマイチな走りは何だったの?ってくらいの強い競馬を見せてくれました。
予想では「ここは一発はないにしても連下で有力候補と見ています。」などと知ったような予想を吹いていましたが、完勝というにふさわしい走りだったように思えます。
このとき、レインボーラインは本格化したかのかな?とちょっと頭をよぎっていました。
天皇賞春は多少穴馬に目移りしていましたが、結局予想では
「やはり阪神大賞典を勝利した実力、去年の天皇賞秋でドロドロ馬場の消耗戦となったレースでも三着好走できるタフさ、サトノダイヤモンドに多少差がついたとはいえ、菊花賞二着と長距離を走れる地力を持っています。ここはGI勝利をおさめる絶好のチャンスといえます。」
と結論付け、地力上位、実績上位、馬場不問、という強みを評価してレインボーラインを本命としました。

思えば、一番最初にレインボーラインを予想に加えたニュージーランドトロフィーで本命にしてから、ずーっと対抗○以下のおさえまでの△評価だったのですが、図らずも最初と最後だけを本命◎とすることになりました。
結果はご存知の通り、レインボーラインは期待に見事答えてくれ、初めてのGI勝利を二番人気の天皇賞春という大舞台で達成することができました。

POG馬をはじめとして追いかけた馬が大成せず引退する、なんてよくある話ですが、レインボーラインはいつもそんなお約束を裏切ってくれた存在でした。レースに出走するときも(日経賞二番人気のような)人気しての凡走、逆に人気薄での快走、そして人気しての凡走よりも人気薄での快走のほうが多い、ふーむ。
適距離も不明でした。天皇賞春を勝つまでのGI実績はNHKマイルC三着に菊花賞二着、天皇賞秋三着(これは重馬場適性が向いただけのような気もしますが)というどの距離でも好走実績を持つという距離の幅も広い馬、実は天皇賞春のあと安田記念⇒宝塚記念と好走を重ねることができたのかもしれません。

と、このようないろいろと想像を掻き立ててくれる稀有な馬だったといえる存在、それがレインボーラインでした。とかくお約束的な空気をブチ破る力を持った馬だったように思えます。

あの人気薄での末脚が見れなくなるのは寂しさもありますが、無事に引退し種牡馬になれた、というのはやっぱり次世代にその名を遺すことになれたということですから、一ファンとしては喜んでいます。

ステイゴールド産駒として

ステイゴールド産駒としては珍しい、母父フレンチデピュティの血統となるレインボーライン。ステイゴールド産駒としては母父メジロマックイーンが鉄板配合で実際母父メジロマックイーンで何頭も名馬と呼べるレベルの馬が輩出されています。
しかしステイゴールド産駒としては珍しい「非メジロマックイーン」という点において、他のステイゴールド産駒と差別化ができるかもしれません。これが良いアドバンテージとなればレインボーラインの種牡馬生活もよい方に転がる可能性は秘めています。

その名はレインボーライン

ヤネの勝負服と合わせたデザインの青いメンコがトレードマークの、ちょっと勝気な追い込み馬。重馬場得意。
新馬から一気にオープンクラスで好走し実績を挙げると当然のように500万下を勝利し、早々と重賞制覇。2歳から3歳春の活躍ぶりを見る限りでは仕上がり早いタイプと思っていたら5歳春にもう一段回の成長を見せ、念願のGI制覇。
この二段階の成長ぶりが産駒に受け継がれると面白い、個性的な産駒を輩出する可能性も秘めています。

また、全出走レース中、一番人気に推されたレースは僅か1レース(勝利した未勝利戦)のみ、という希代の穴馬と言えるほど不思議と人気を集めない馬。個性派の一頭として、思い出深いファンも多そうです。

父の"黄金旅程"(ステイゴールド)からの、"虹の道"(レインボーライン)、を通って、その先には何が待っているのか。産駒に興味は尽きませんね。