ちょっと知ってるだけで玄人っぽい会話ができるようになる雑学。
今日は先日のジャパンカップで見事引退レースを勝利で飾ったコントレイルのレースを振り返ってみようと思います。
コントレイル引退
引退レースとなったジャパンカップの勝利者インタビューで福永JKが
"コントレイルは菊花賞の3000mを(本質的には)走れるような馬じゃない。調教次第では1200mのレースにも対応できるような馬"
と(いうニュアンスのことを)言っていたのがやけに印象に残っています。
と、いうのも、コントレイルの最初のイメージが1800m/2000mくらいの距離までをこなせるレベルの高いマイラーだと自分が勘違いしていた、ということが発端です。
これまでのコントレイルの足跡
コントレイルの新馬戦って、実はコントレイルには注目をしていなくて、二番人気のレーヴドゥロワというキングカメハメハ産駒(母レーヴディソール)に個人的には注目していました。単勝1倍台の一番人気コントレイルに対し、単勝4.0倍二番人気のレーヴドゥロワ、結果は圧勝のコントレイルに対してシンガリ負けとなったレーヴドゥロワと対照的な結果となりました。
なのでコントレイルの新馬戦は観たのですが、実は最下位の馬を注視していたために勝ったコントレイルの印象があまりない、という。歴史を見逃した感じがしますね。
二戦目は東スポ杯2歳S。
予想2019:東京11R-東スポ杯2歳S - SpecialなWeekを目指す競馬日記
さすがに確勝級ということで本命にし
振返2019:東京11R-東スポ杯2歳S - SpecialなWeekを目指す競馬日記
二着と三着が逆でしたが的中を運んでくれました。このレース、コントレイルが二着以下を五馬身差の圧勝、強かったですね。
そして暮れのホープフルS。
予想2019:中山11R-ホープフルS - SpecialなWeekを目指す競馬日記
ハーツクライ産駒の当たり年という点と、コントレイルは本質的にはマイラーだと睨んでいた(後に浅見だったと悟るのですが、このときは大真面目)ため、対抗評価に。結果は…、
振返2019:12月28日中山11R-ホープフルS他 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
直線ほぼ持ったままでのコントレイル圧勝、ちなみに後に引退レースでコントレイルと競り合うオーソリティは五着敗退。
翌年のクラシックはぶっつけ本番皐月賞から始動、トライアルを使わないコントレイルとサリオスの二頭が初対決。
予想2020:中山11R-皐月賞 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
結果は、二頭の叩き合いからコントレイルの勝利。
振返2020:中山11R-皐月賞 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
前日の雨の影響でコントレイル苦戦を予想したのですが、全くコントレイルの走りに影響はなかったように見えました。
そしてダービーも皐月賞の再現となる二頭の叩き合い。
予想2020:東京11R-日本ダービー - SpecialなWeekを目指す競馬日記
この時点ではもうコントレイルを疑っていませんでした。
振返2020:東京11R-日本ダービー - SpecialなWeekを目指す競馬日記
無敗の二冠馬誕生、と同時に父ディープインパクトの達成した無敗のクラシック三冠への期待が膨らむレース内容でした。サリオスを皐月賞より突き放しましたからね。
春と違って秋は菊花賞トライアル神戸新聞杯から始動。
予想2020:中京11R-神戸新聞杯 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
コントレイルが単勝1.1倍、二番人気が19.9倍、三番人気が20.3倍と誰もがコントレイルの勝利を信じて疑わなかったレース。
振返2020:中京11R-神戸新聞杯 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
その期待に応え、二馬身差圧勝。
ライバルのサリオスは既に路線変更でマイル戦に向かっていて、菊花賞はコントレイルの一人舞台を示す単勝1.1倍と断然の一番人気。
予想2020:京都11R-菊花賞 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
世間の狙いもコントレイルをアタマ固定でヒモ探し、あるいは、ワイドで二着・三着を真剣に穴馬で探す、なんて狙い方だったと思っています。
コントレイルの二着といえばヴェルトライゼンデというイメージから対抗にしていましたが、二着だったのはアリストテレス、コントレイルをクビ差まで追い詰めました。
振返2020:京都11R-菊花賞 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
クビ差でもコントレイルが勝利、最後は意地も見えたコントレイルの走りに感動を覚えた競馬ファンも多かったことと思います。
しかし、その次走ジャパンカップでは現役最強馬アーモンドアイが立ちはだかりました。
予想2020:東京12R-ジャパンカップ - SpecialなWeekを目指す競馬日記
結局、アーモンドアイ以外には負けなかったものの、
振返2020:東京12R-ジャパンカップ - SpecialなWeekを目指す競馬日記
現役最強馬アーモンドアイはやっぱり強かった。コントレイル二着。
こうして、無敗でクラシック三冠制覇を親子制覇という形で達成した最高の瞬間と、その次走ではデビューから無敗で続けてきたレースで初の敗戦という挫折が入り交じった年をコントレイルは終えました。
翌年は大阪杯から始動。
予想2021:阪神11R-大阪杯 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
死角はないと思っていましたが、重馬場が祟って三着敗退。
振返2021:阪神11R-大阪杯 - SpecialなWeekを目指す競馬日記
ここで重馬場がコントレイルの走りを鈍らせることを知りました。(皐月賞で馬場が渋ってコントレイルの切れ味が鈍るような予想はしていたものの、あの勝利でしたし)
そして、春は全休、秋に備えます。コントレイルはすでに挑戦する立場から受けて立つ立場になっていました。挑む三歳馬エフフォーリアとの争いとなった天皇賞(秋)。
予想2021:東京11R-天皇賞(秋) - SpecialなWeekを目指す競馬日記
コントレイルが三歳馬の挑戦を受けるも勝ち切ると思っていました。しかし、斤量差がそのまま着差となったような格好でエフフォーリアに一馬身差の二着。
振返2021:東京11R-天皇賞(秋) - SpecialなWeekを目指す競馬日記
そして引退表明。ラストランはジャパンカップに決定しました。
予想2021:東京12R-ジャパンカップ - SpecialなWeekを目指す競馬日記
どうしてもダービー馬が集った過去のジャパンカップでスクリーンヒーローが勝ち切ったレースが頭から離れず、オーソリティを本命にしてしまいました。
振返2021:東京12R-ジャパンカップ - SpecialなWeekを目指す競馬日記
結局コントレイル、ラストランを勝利で飾ります。
こうしてコントレイルの旅路は無事着陸を迎えました。
転機となるジャパンカップ
コントレイルのキャリアにとってやはり二回のジャパンカップというのが転機になっているような感じがします。
無敗の三冠達成直後に挑んだジャパンカップ、アーモンドアイを相手に初の敗戦。
引退レースと決めて挑んだジャパンカップ、強豪を退けて勝利。
初めての敗戦だったジャパンカップ、そこから崩れず手堅く走るも二着や三着を続け、勝ち切れない期間を経て、一年振りの勝利が引退レースのジャパンカップ。
次のステージに向かうコントレイルがラストランに選んだのが、有馬記念ではなくキャリア初の敗戦だったジャパンカップだった、というのは東京2400mへの適性以外にもなにか感じるものがありました。
ディープインパクトの後継種牡馬
ディープインパクトの後継種牡馬って、たくさんの名馬を送り出したリーディングサイアーだけに後継種牡馬としてコレとすぐに名前が挙がる一頭がいままで出てきませんでした。
例えばキングカメハメハの後継種牡馬といえばロードカナロアと真っ先に名前が挙がるような後継種牡馬の存在がディープインパクトにはなかったのですが、やはりその立ち位置として、親子で無敗のクラシック三冠制覇を達成したコントレイルが、ディープインパクトを継いでいくことになるのかなぁ、と思うところはあります。
しかも、ディープインパクト急逝したすぐ後に弥生賞がディープインパクト記念とレース名を改称することになった初年度に、ディープインパクト産駒として無敗のクラシック三冠制覇を親子で達成したコントレイル、不思議な縁ですが日本ダービーでコントレイルが入った3枠5番がディープインパクトのダービーと同じ3枠5番だったというのも何かの縁だったと思いました。
ディープインパクトからコントレイルへのバトンタッチを思わせるコントレイルの快進撃。
気長に産駒のデビューを待ちたいコントレイルの次なるステージ。